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2008 年度 実績報告書

群集動態に対する安定化メカニズムと等質化メカニズムの相対的重要性の評価方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20570012
研究機関北海道大学

研究代表者

野田 隆史  北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 准教授 (90240639)

キーワード多種共存機構 / 種内競争 / 種間競争 / 固着生物群集 / 侵入可能性 / 岩礁潮間帯 / 安定化メカニズム / 等質化メカニズム
研究概要

局所群集の動態に及ぼす、安定化メカニズムと等質化メカニズムの重要性を定量する方法を開発する。そのために今年度は野外調査と予備解析を行った。
野外調査は2002年から継続しているもので、北太平洋岸の3地域(北海道東部、北海道南西部、三陸)で、各地域に5海岸、各海岸の5岩礁を対象としている。調査間隔は約3ヵ月ごとで、群集調査方法はWootton(2005)と同じである。
予備解析は、Adlerら(2007)の方法を改変して行った。これは、優占種数種を対象に、それぞれ個体群動態と残りの種すべて(超種)の個体群動態をゴンペルツ式で表現する。そして階層ベイズモデルを用いて、安定化メカニズムと等質化メカニズムの相対的重要性を表す指数を求めるというものである。この方法を、三陸の優占種8種の5年間のデータに適用し、安定化効果のある動態モデルと安定化効果のないモデル(中立モデル)をあてはめ、DICで双方のモデルの適合の程度を比較することで、安定化効果の有効さを評価した。その結果、中立モデルより安定化モデルのほうが若干あてはまりが良い傾向が認められた。しかし、両者の差は不明瞭で、多くの場合、安定化メカニズムと等質化メカニズムの相対的重要性を表す指数は、ゼロとは有意差が認められなかった。
これらのことから、Adlerら(2007)の改法の利用可能性ついては、動態の記述モデルを変えて再度解析を試みることに若干の希望もみえるが、安定化メカニズムと等質化メカニズムの相対的重要性を評価するにはまったく別の方法を試みるべきであることがわかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Metacommunity-level coexistence mechanisms in rocky intertidal sessile assemblages based on a new empirical synthesis2009

    • 著者名/発表者名
      Noda, T.
    • 雑誌名

      Population Ecology 51

      ページ: 41-55

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Latitudinal gradients in species richness in assemblages of sessile animals in rocky intertidal zone : mechanisms determining scale-dependent variability2009

    • 著者名/発表者名
      Okuda T, Noda T, Yamamoto T, Hori M, Nakaoka M
    • 雑誌名

      Journal of Animal Ecology 78

      ページ: 328-337

    • 査読あり
  • [学会発表] メタ群集と空間スケール(企画シンポジウム群集生態学の新たな挑戦)2009

    • 著者名/発表者名
      野田隆史
    • 学会等名
      日本生態学会
    • 発表場所
      盛岡, 岩手県立大学
    • 年月日
      2009-03-18
  • [学会発表] 岩礁潮間帯固着生物群集における種間相互作用網の定量的解析2009

    • 著者名/発表者名
      辻野昌広・野田隆史・山本智子・仲岡雅裕・堀正和
    • 学会等名
      日本生態学会
    • 発表場所
      盛岡, 岩手県立大学
    • 年月日
      2009-03-18

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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