河川の群集における栄養カスケードを強化する要因の解析

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20570028
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 生態・環境
• 研究機関: 独立行政法人水産総合研究センター
• 研究代表者: 片野 修 独立行政法人水産総合研究センター, 中央水産研究所内水面研究部, 室長 (60211843)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2010
• キーワード: 間接効果 / 栄養カスケード / 河川群集 / 水生無脊椎動物 / 藻類現存量 / 魚類のトップダウン効果

研究概要

河川群集において,魚類は藻食性の水生無脊椎動物を捕食することによって,栄養カスケードを介して底生藻類を増加させる。この栄養カスケードの強さに影響する要因を実験的に解析した。栄養カスケードの強さは環境の異質性や撹乱によっては影響されなかった。しかし,水面に飛来する成虫と底部の餌の両方を摂食する昼行性の魚種は強い栄養カスケード効果をもたらした。これらの結果は河川で主に藻類を摂食するアユ資源の増大に資するほか,藻類の制御に役立つと期待される。

研究成果

• [雑誌論文] 生き魚を餌として用いるオオクチバスの釣り方とその駆除効果 (2010)
  • 著者名/発表者名: 片野修, 坂野博之
  • 雑誌名: 保全生態学研究 15巻 ページ: 183-191
  • 査読あり
• [雑誌論文] Shin-ichiro Abe, Yoshihiro Baba, Population density, growth and migration via the sea to different streams of Japanese dace Tribolodon hakonensis in lower reaches of small streams (2010)
  • 著者名/発表者名: Osamu Katano, Tomoyuki Nakamura
  • 雑誌名: Ichthyological Research Vol.57 ページ: 1-9
  • 査読あり
• [雑誌論文] Evaluation of four models for estimating the population size of largemouth bass in an experimental pond (2010)
  • 著者名/発表者名: 片野修
  • 雑誌名: Fisheries Science Vol.76 ページ: 719-728
  • 査読あり
• [雑誌論文] To design, build, and maintain perfect ponds for bluegills and anglers (2009)
  • 著者名/発表者名: 片野修
  • 雑誌名: Environmental Biology of Fishes Vol.84 ページ: 225-228
• [雑誌論文] 実験池におけるオオクチバスの釣られやすさに見られる個体差 (2009)
  • 著者名/発表者名: 片野修
  • 雑誌名: 日本水産学会誌 75巻 ページ: 425-431
  • 査読あり
• [雑誌論文] 小河川におけるワンド・タマリの環境要因と水生無脊椎動物の分布 (2009)
  • 著者名/発表者名: 黒川マリア, 片野修, 東城孝治、北野聡
  • 雑誌名: 陸水学雑誌 70巻 ページ: 67-85
  • 査読あり
• [雑誌論文] Shin-ichiro Abe, Indirect effects of the algivorous fish Plecoglossus altivelis on the growth of two insectivorous benthic fish (2008)
  • 著者名/発表者名: Osamu Katano, Tomoyuki Nakamura
  • 雑誌名: Freshwater Biology Vol.53 ページ: 1354-1358
  • 査読あり
• [雑誌論文] Effects of individual differences in foraging mode of pale chub on algal biomass through trophic cascades
  • 著者名/発表者名: 片野修
  • 雑誌名: Environmental Biology of Fishes (in press.)
  • 査読あり
• [学会発表] 実験池においてブルーギルが2種の在来魚の個体数に及ぼした6年間の影響 (2010)
  • 著者名/発表者名: 片野修
  • 学会等名: 日本魚類学会
  • 発表場所: 津市
  • 年月日: 2010-09-25
• [学会発表] ウグイとギバチが底生藻類に与える栄養カスケードの比較 (2009)
  • 著者名/発表者名: 片野修, 棗田孝晴, 勝呂尚之
  • 学会等名: 日本水産学会
  • 発表場所: 盛岡市
  • 年月日: 2009-10-02
• [学会発表] Shin-ichiro Abe, Ecosystem management including the ayu Plecoglossus altivelis in Japanese rivers (2008)
  • 著者名/発表者名: Osamu Katano, Tomoyuki Nakamura
  • 学会等名: WFC(世界水産会議)
  • 発表場所: 横浜市
  • 年月日: 2008-10-23
• [図書] 個体識別,塚本勝己編「魚類生態学の基礎」 (2010)
  • 著者名/発表者名: 片野修, 勝呂尚之
  • 総ページ数: 132-143
  • 出版者: 恒星社厚生閣
• [図書] 第2章相互作用の多彩な効果,大串隆之ほか編「生物間ネットワークを紐とく」 (2009)
  • 著者名/発表者名: 片野修
  • 総ページ数: 61-92
  • 出版者: 京都大学学術出版会
• [備考] ホームページ等