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受精卵あるいは幹細胞の不等分裂によりさまざまな種類の細胞が生まれる。不等分裂がどのような分子機構で制御されているのかを理解することは多細胞生物の発生を理解するために重要である。後生動物におけるこれまでの研究から、不等分裂時の特定のmRNAやタンパク質の時空間的な制御機構が明らかになってきた。植物においても不等分裂はその発生に重要であるが、制御機構の全体像はまだよくわかっていない。そこで本年度は、申請者らがこれまでに同定した不等分裂候補因子のうち、機能が未知の因子について、また新たな不等分裂制御因子の同定、機能解析を進めた。
前年度同定した植物特異的な機能未知因子VQモチーフタンパク質が、細胞周期Gl/Sの進行に関わると考え機能解析をすすめたが、明確な表現型を得ることができなかった。この一方で植物ホルモンアブシジン酸により不等分裂を等分裂に制御する可能性のある新規因子2種類の遺伝子破壊体、誘導型遺伝子過剰発現体を作成し、機能解析を進めた。またこれらのタンパク質の局在解析を行った。その結果ともに細胞壁タンパク質として機能するタンパク質であることが示唆された。また細胞の極性制御に関わる低分子量Gタンパク質とその活性化因子を同定した。さらにこれらと同じ表現型を示す機能未知な極性制御因子を1種類、また細胞周期を制御するサイクリン依存性キナーゼが細胞極性制御に関わる可能性を明らかにすることができた。
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