• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

高等植物におけるカルジオリピンの機能に関する分子生物学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 20570031
研究機関東京大学

研究代表者

和田 元  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60167202)

研究分担者 水澤 直樹  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教 (80342856)
キーワードカルジオリピン / 高等植物 / 脂質 / シロイヌナズナ / 生体膜 / 膜脂質 / ミトコンドリア
研究概要

カルジオリピン(CL)は、4分子の脂肪酸を結合したユニークな構造をもつリン脂質であり、真核生物ではミトコンドリア膜に局在している。この脂質は生体内ではマイナスの電荷をもった分子として存在し、その電荷によってタンパク質などの分子と相互作用することで、他の脂質にはない特別な機能をもつと考えられている。申請者らは、シロイヌナズナからCL合成酵素遺伝子(CLS)を同定することに成功し、この遺伝子が破壊されたタグラインを用いてCLの機能について解析している。
本年度は、CLS遺伝子が破壊された2つの異なるタグライン(cls-1とcls-2)について、芽生えを[<33>^P]Piを用いて長時間ラベルすることで、CL量を測定した。その結果、全リン脂質中に占めるCLの割合は、WT,CLS-2/cls-2,cls-1/cls-1,cls-2/cls-2の順に低下していた。これは観察された表現型の異常の程度と対応していた。また、外来エストロゲンの投与によりCLSの発現を誘導できるpER8:CLSをcls-2/cls-2こ導入した変異体では、根の伸長やミトコンドリアの形態異常が外来エストロゲン濃度依存的に回復したが、この変異株のカルスでは、エストロゲンの投与によりCL量のみが上昇した。さらに、非誘導条件ではCLS活性が検出できなかったのに対し、誘導に伴い発現時間に対応してCLS活性が上昇することを確認した。以上の結果は、CLSが植物体におけるCL量を制御可能であり、CL量が一定量以下となることが様々な異常の原因であることを示唆している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Phosphatidylglycerol depletion affects photosystem II activity in Synechococcus PCC 7942 cells2010

    • 著者名/発表者名
      Balazs Bogos
    • 雑誌名

      Photosynthesis Research 103

      ページ: 19-30

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Remodeling of phosphatidylglycerol in Synechocystis PCC68032010

    • 著者名/発表者名
      Hajnalka Laczko-Dobos
    • 雑誌名

      Biochimica et Biophysica Acta 1801

      ページ: 163-170

    • 査読あり
  • [学会発表] カルジオリピン合成酵素はカルジオリピン量を制御できる2010

    • 著者名/発表者名
      片山健太
    • 学会等名
      日本植物生理学会
    • 発表場所
      熊本
    • 年月日
      2010-03-20
  • [図書] Lipids in Photosynthesis : Essential and Regulatory Functions2009

    • 著者名/発表者名
      Hajime Wada
    • 総ページ数
      473
    • 出版者
      Springer

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi