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本研究では、ホウレンソウ葉緑体のチラコイド膜を使って、熱ストレス下での脂質過酸化と光化学系II反応中心結合タンパク質D1の酸化的損傷の関係を検討した。その結果、40℃、30分の穏やかな熱処理で、光化学系II周辺で活性酸素分子(一重項酸素分子およびヒドロキシルラジカル)が発生し、それが脂質過酸化を引き起こすこと、また、この脂質過酸化がD1タンパク質の損傷の原因となることを明らかにした。その後、この原因脂質を特定する実験を行っている。さらに、同じくホウレンソウチラコイド膜を用いて光ストレスによって引き起こされるチラコイド膜のunstackingの生理的意義の解析を行ない、unstackingが活性酸素の発生を抑制し、また損傷D1タンパク質の速やかな分析を可能にする重要な役割を果たしていることを明らかにした。
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