研究課題
AtRBR1の翻訳後制御を解析するために、AtRBR1に対する抗体を作製した。抗原としてAtRBR1に由来する2種類のペプチドを混合してウサギに免疫することによって抗血清を得た。その抗血清をIgG精製して、その後合成したペプチドを用いてアフィニティー精製を行い精製抗体とした。この抗AtRBRI抗体が、目的とするAtRBR1を認識するかを確かめるために、シロイヌナズナ培養細胞MM2dの細胞抽出物と大腸菌から精製したGST融合AtRBR1(GST-AtRBR1)を用いてウエスタン解析を行った。その際、抗体を直接ウエスタンに供するものと、GST-AtRBR1で前処理することによって競合させたのちにウエスタン解析に供するものを用意した。その結果、直接抗体を用いた場合には細胞抽出物とGST-AtRBR1のどちらも推定分子量付近にバンドが認められた。一方、前処理した方では量的に多いGST-AtRBR1のバンドが薄くなり、細胞抽出物では推定分子量付近のバンドが消失したため、このバンドがAtRBR1であることが確認された。次に細胞周期に伴うAtRBR1の発現変動を調べるため、分裂停止期のMM2d細胞を新鮮な培地に植え継ぐことで部分的に同調できる細胞周期リエントリーの系を用いて解析を行った。分裂停止期の細胞はほとんどがG1期で細胞周期を停止しているため、この実験系では主にG1期からS期の発現を見ることが可能である。抗AtRBR1抗体を用いてAtRBR1のタンパク質レベルの発現を解析した結果、植え継ぎ後0時間目から6時間目までは1本のバンドしか検出されなかったが、S期の細胞が増加する8時間目からは高分子量側にもう1本のシフトバンドが検出された。このシフトバンドが高リン酸化型のAtRBR1に相当することは、ホスファターゼによる脱リン酸化処理により確認した。
すべて 2008
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Plant Cell & Physiology 49
ページ: 214-225
Plant Molecular Biology 66
ページ: 259-275