研究概要 |
apm1、apm3変異体は、共にペルオキシソームの数が減少するものの形態は異なっており、apm1ではペルオキシソームが長くなるが、apm3では巨大化する。本年度は、昨年度に作製した種々の形質転換体や二重変異体を用いた解析を進めた。 これまでに、ペルオキシソームの分裂の過程では、APM3/PMP38が分裂因子であるAPM1/DRP3Aに直接結合しないことを明らかにしている。では、apm3変異体においてまだAPM1/DRP3Aがペルオキシソームへの結合能を有しているか、DRP3Aプロモーターで制御したDRP3A-GFPを、RFPでペルオキシソームが可視化されたapm3変異体で発現させた。その結果、ドット状のGFP蛍光が巨大化したペルオキシソーム上で観察されたことから、APM1/DRP3Aは巨大化したペルオキシソームに導入されること、および、APM3/PMP38とは異なる段階で機能することが明らかとなった。 別の分裂因子をコードするFIS1A遺伝子のT-DNA挿入株を入手し、apm3変異体と掛け合わせて二重変異体の作製を試みた。少しGenotypingに時間がかかってしまったものの、FIS1A,APM3両遺伝子に変異および挿入をもつ植物体の単離に成功した。現在は、GFPのパターンと植物体の生育について解析を行っている。 別の変異体であるapm9について解析を進めた。APM9が、これまでに報告されているPEROXIN(PEX)とはほとんどアミノ酸配列の相同性をもたない植物特異的なPEROXINであること、その機能はPEX1-PEX6複合体をペルオキシソーム膜に繋ぎ止めることを明らかにした。
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