ABA関連PP2Cの標的の同定を目指し2D-DIGEを野生株とahg3-1で行った。多くの蛋白質が観測されたが、リン酸化の変化によりシフトしたスポットは見いだせなかった。一方で遺伝学的相互作用の知見から、特異的に直接相互作用するABA関連因子を見いだした。これによりPP2CのABA応答における機能の解明が加速されると期待できる。ahg12変異の出芽酵母における影響を調べた。酵母RPT5遺伝子にahg12と同じ変異を導入し、出芽酵母の野生型遺伝子と置換した。その結果、この変異は少なくとも酵母の生育には何ら影響を及ぼさなかった。シロイヌナズナのRPT5b遺伝子破壊株を入手し、その表現型を調査した。今後ahg12変異の影響をこの株で確認する。マッピングによりahg16遺伝子座を染色体5番下腕部に特定した。#18感受性遺伝子座の特定をLer X WSのF2を用いて進め、第2染色体下腕と特定することができたahg2-1の抑制変異の解析を行った。強さの異なる10弱の変異株を確立したが、これらはahg2-1変異の表現型すべてを抑制することがわかった。sup1と名付けた抑制変異の遺伝子座をマッピングにより特定した。興味深いことにすべての抑制変異株で同じ遺伝子に変異が見いだされ、非常に重要な機能を持つ遺伝子であることが推察された。この遺伝子は、polyA付加酵素と類似の構造を持つが、類似の遺伝子がシロイヌナズナに複数あるので、この遺伝子が特異な機能を持っていると考えられる。この遺伝子産物の機能を明らかにすることで植物ホルモン応答と関連したpolyA制御機構について新たな知見が得られると期待される。
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