• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

昆虫IGF様ペプチドの生理機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20570056
研究機関名古屋大学

研究代表者

溝口 明  名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (60183109)

研究分担者 八木 克将  名古屋大学, 理学研究科, 助教 (10372525)
キーワード昆虫 / インスリン様成長因子(IGF) / 成長 / カイコ / 変態
研究概要

インスリン様成長因子(IGF)はヒトの成長を調節する重要なホルモンである。本研究の目的は、最近われわれが昆虫で初めて発見したIGF様ペプチド(8K-BLP)の産生組織、分泌調節、生理機能の解析を進め、昆虫の変態(成虫発育)における同ペプチドの生理機能を解明することである。これまでの解析により、同ペプチドはカイコガにおいて、蛹期特異的に主に脂肪体で産生され、成虫組織原基に対し成長促進作用を示すことが明らかになっている。本年度は、カイコガにおける同ペプチドの産生組織と産生時期の網羅的解析、微量測定法の開発と血中濃度の測定、RNAiを使った生理機能解析、ショウジョウバエの相同ペプチドの検索を行った。以下は主な研究成果とその意義である。
1)免疫組織化学とin situハイブリダイゼーションによる解析により、8K-BLPは脂肪体の他、卵巣小管膜、精巣鞘膜および脳において時期特異的に産生されることが示された。これらの器官での産生は8K-BLPの局所的作用と広範な機能を示唆するものである。
2)8K-BLPの微量測定法を開発し血中濃度を測定した結果、蛹化前日に上昇し始め、蛹化後は数100nMに達することが明らかとなった。この結果は、8K-BLPが蛹期のみならず前蛹期にも重要な機能を果たしている可能性を示唆する。
3)カイコガ前蛹にdsRNAを注射しRNAiによる遺伝子ノックダウンを試みたが期待する効果は観察されなかった。鱗翅目昆虫でのRNAiは例外を除き困難と言われているが、その定説を追認する結果であった。
4)ショウジョウバエで同定されている7種のインスリン族ペプチドの中の一つDILP6の遺伝子が、8K-BLPと同様に変態期特異的に脂肪体で高発現することが明らかとなった。DILP6は8K-BLPの機能的相同ペプチドと考えられ、IGF様ペプチドが昆虫界に広く分布することが強く示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] An ecdysteroid-inducible insulin-like growth factor-like peptide regulates adult development of the silkmoth Bombyx raori.2009

    • 著者名/発表者名
      N. Okamoto, N. Yamanaka, H. Satake, H. Saegusa, H. Kataoka, A. Mizoguchi
    • 雑誌名

      FEBS Journal 276

      ページ: 1221-1232

    • 査読あり
  • [学会発表] 昆虫IGF様ペプチドの構造、発現及び生理機能解析2008

    • 著者名/発表者名
      岡本直樹, 山中直岐, 片岡宏誌, 溝口明
    • 学会等名
      日本比較内分泌学会第33回大会及びシンポジウム
    • 発表場所
      広島県、広島大学
    • 年月日
      2008-12-06
  • [学会発表] ショウジョウバエIGF-like peptideの検索2008

    • 著者名/発表者名
      岡本直樹, 山中直岐, 片岡宏誌, 溝口明
    • 学会等名
      日本動物学会第79回大会
    • 発表場所
      福岡県、福岡大学
    • 年月日
      2008-09-06
  • [学会発表] An IGF-like peptide regulates adult development of the silkmoth Bombyx mori.2008

    • 著者名/発表者名
      Naoki Okamoto, Naoki Yamanaka, Hiroshi Kataoka, Akira Mizoguchi
    • 学会等名
      23rd International Congress of Entomology
    • 発表場所
      Durban, South Africa.
    • 年月日
      2008-07-08

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi