研究概要 |
クサフグの月周に同調した産卵回遊行動を調節する脳内機構を明らかにするため,間脳の視床下部神経内分泌系と松果体の働きを解析した。視床下部の生殖中枢から分泌される複数の神経ホルモンの合成は,産卵期に著しく高まると共に明瞭な日周変動を示した。この日周リズムは,松果体から周期的に分泌されるメラトニンによって調節されることが示唆された。また,松果体のメラトニン受容体の合成は14時間周期のリズムを持つと共に,月周に依存した変動を示すことが分かった。さらに,産卵期のクサフグは水位を一定にした水槽内でも月周に同調して集合することが分かり,松果体で駆動される内因性の月周リズムを持つことが示唆された。
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