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2009 年度 実績報告書

ハプト藻の円石形成機構の解明 ~cDNAマクロアレイを用いて~

研究課題

研究課題/領域番号 20570059
研究機関東京薬科大学

研究代表者

藤原 祥子  東京薬科大学, 生命科学部, 准教授 (30266895)

研究分担者 都筑 幹夫  東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (70155430)
キーワード石灰化 / マクロアレイ / ハプト藻 / 円石藻 / バイオミネラリゼーション
研究概要

円石藻は、細胞表面に石灰化された鱗片である円石を持つ海産性の藻類である。本研究では、研究室で作製した円石藻Pleurochrysis haptonemoferaのcDNAマクロアレイを用いて遺伝子発現の網羅的解析を行い、円石形成に関わる可能性のある遺伝子の解析を行っている。これまでに円石欠損変異株と野生株、石灰化促進条件と抑制条件においた細胞との比較実験を行い、現在その解析を進めている。これらの遺伝子の機能の推定を容易にするためには、アノーテーションやモチーフの検索を含むESTデータベースの充実が不可欠となるが、これについては明治大学との共同研究を進めている。また、プロテオーム解析についてもかずさDNA研究所との共同研究を行っている。
円石形成には円石に大量に含まれている酸性多糖が重要な働きをしていると考えられているため、それがどのようなステップで関与しているか推定することを目的として、その局在性についても検討を行った。酸性多糖はEDTA処理により抽出されるが、1mM程度の薄い濃度で抽出した場合には、円石に含まれる酸性多糖、Ph-PS-1、-2、-3のうち、Ph-PS-2の抽出効率が低くなることがわかった。また、ウレア処理(8Mウレア、100℃、10分)した場合にも、Ph-PS-1と-3のみが特異的に抽出されることが明らかとなった。さらに、様々なpHでCaCO3の結晶を溶解させ、その後のウレア処理で抽出されてくる酸性多糖について調べたところ、円石の表面以外にも酸性多糖が存在することが示され、特にPh-PS-2が結晶内部や下部に存在している可能性が示唆された。現在、このときの円石の形態を走査電顕で観察することにより、酸性多糖の局在性についてより詳細に検討を行っているところである。今後は、酸性多糖の合成に関わる可能性のある遺伝子についても解析を進めて行く予定である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Effects of Ca and Mg on growth and calcification of the coccolithophorid Pleuro chrysis haptonemofera : Ca-requirement for cell division in coccolith-bearing cells and for normal coccolith-formation with acidic polysaccharides.2010

    • 著者名/発表者名
      Katagiri, F., et al.
    • 雑誌名

      Mar.Biotechnol. 12

      ページ: 42-51

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Rapid determination of arsenic species in freshwater organisms from the arsenic-rich Hayakawa River in Japan using HPLC-ICP-MS.2009

    • 著者名/発表者名
      Miyashita, S., et al.
    • 雑誌名

      Chemosphere 75

      ページ: 1065-1073

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Carbohydrate metabolism in the mutants of the cyanobacterium Synechococcus elongatus PCC 7942 defective in glycogen synthesis.

    • 著者名/発表者名
      Suzuki, E., et al.
    • 雑誌名

      Appl.Environ.Microbiol. (in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The primitive rhodophyte Cyanidioschyzon merolae contains a semiam ylopectin-type, but not an amylose-type α-glucan.

    • 著者名/発表者名
      Hirabaru, C., et al.
    • 雑誌名

      Plant Cell Physiol. (in press)

    • 査読あり
  • [学会発表] 緑藻クラミドモナスのリン酸トランスポーター遺伝子発現に対するヒ酸の影響2010

    • 著者名/発表者名
      室田知里, ら
    • 学会等名
      第51回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      熊本
    • 年月日
      20100300
  • [学会発表] 海産性植物プランクトン、円石藻の石灰化(ココリス形成)(招待講演)2009

    • 著者名/発表者名
      藤原祥子
    • 学会等名
      第4回バイオミネラリゼーションワークショップ
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20091200
  • [学会発表] 円石藻Pleurochrysis carteraeにおける遺伝子導入技術の確立の試み2009

    • 著者名/発表者名
      遠藤博寿, ら
    • 学会等名
      第4回バイオミネラリゼーションワークショップ
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20091200
  • [学会発表] 円石藻Pleurochrysis haptonemoferaの円石形成関連遺伝子の網羅的解析と環境因子の影響2009

    • 著者名/発表者名
      高塚由紀子, ら
    • 学会等名
      第12回マリンバイオテクノロジー学会大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20090500
  • [図書] Marine Phytoplanktonの一部2009

    • 著者名/発表者名
      Kersey, W.T., S.P.Munger編
    • 総ページ数
      11
    • 出版者
      Nova Science Publishers, Inc.

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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