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2009 年度 実績報告書

トランスジェニックカエルを用いた消化管上皮幹細胞のニッチに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20570060
研究機関日本医科大学

研究代表者

岡 敦子  日本医科大学, 医学部, 教授 (50175254)

キーワードトランスジェニックカエル / 甲状腺ホルモン受容体 / 小腸 / 器官培養 / 組織間相互作用 / 幹細胞 / 変態 / 脱分化
研究概要

本研究は、変態期の両生類消化管を実験モデルとして、消化管上皮幹細胞を制御するニッチ(結合組織を中心とした微小環境)の分子レベルでの解明を目指している。昨年度までに、熱ショック蛋白質プロモーターの下流にdominant positive型甲状腺ホルモン受容体遺伝子(dpTR)を導入したトランスジェニックアフリカツメカエル(dpTRカエル)の小腸を用いて、成体型幹細胞の出現から新たな上皮形成に至る一連の過程が、甲状腺ホルモン(TH)非存在下のin vitroでもdpTR遺伝子を発現させることによって誘起されることを実証した。そこで本年度は、このdpTRカエルの小腸を用い、野生型カエル小腸との間で上皮・結合組織再結合実験を行うことにより組織依存的にdpTR遺伝子を発現させ、幹細胞を起源とする成体型上皮形成過程がどこまで進行するのかを免疫組織化学的に解析した。dpTR遺伝子を(1)上皮・結合組織ともに発現する小腸、(2)上皮または(3)結合組織のみで発現する小腸、(4)両組織とも発現しない小腸、の4種類について調べたところ、TH非存在下のin vitroで成体型上皮を形成する幹細胞が出現したのは(1)の小腸のみであった。(4)の小腸では幼生型上皮が維持され、(2)の小腸と(3)の小腸では再構築過程の一部は起こるものの、成体型上皮の形成には至らなかった。これらの結果は、消化管上皮幹細胞の制御には結合組織との相互作用が不可欠であり、上皮および結合組織でTRにより発現が調節される遺伝子が共に幹細胞制御に関与していることを示している。さらに、本年度はGFP遺伝子を導入したトランスジェニックカエルを用いた培養実験も行い、幼生期に分化している上皮の一部がTHによって脱分化することにより、成体型幹細胞が出現することも明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Apoptosis in amphibian organs during metamorphosis2010

    • 著者名/発表者名
      Ishizuya-Oka A., Hasebe T., Shi Y.-B.
    • 雑誌名

      Apoptosis 15

      ページ: 350-364

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Tissue-dependent induction of apoptosis by matrix metalloproteinase stromelysin-3 during amphibian metamorphosis.2010

    • 著者名/発表者名
      Mathew S., Fu L., Hasebe T., Ishizuya-Oka A., Shi Y.-B.
    • 雑誌名

      Birth Defects Research(Part C) 90

      ページ: 55-66

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Origin of the adult intestinal stem cells induced by thyroid hormone in Xenopus laevis2009

    • 著者名/発表者名
      Ishizuya-Oka A., Hasebe T., Buchholz D.R., Kajita M., Fu L., Shi Y-B
    • 雑誌名

      FASEB Journal 23

      ページ: 2568-2575

    • 査読あり
  • [学会発表] Hedgehog interacting protein regulates sonic hedgehog signaling essential for the intestinal remodeling during amphibian metamorphosis2009

    • 著者名/発表者名
      Hasebe T., Kajita M., Ishizuya-Oka A.
    • 学会等名
      6th International Symposium on Amphibian and Reptilian Endocrinology and Neurobiology
    • 発表場所
      Berlin, Germany
    • 年月日
      2009-09-23
  • [学会発表] 両生類の消化管再構築においてshhシグナルに応答して促進されるPatched-1の発現解析2009

    • 著者名/発表者名
      長谷部孝、梶田満子、岡敦子
    • 学会等名
      第80回日本動物学会大会
    • 発表場所
      グランシップ(静岡県)
    • 年月日
      2009-09-17
  • [学会発表] トランスジェニックカエルは光り輝く2009

    • 著者名/発表者名
      長谷部孝、岡敦子
    • 学会等名
      第80回日本動物学会大会
    • 発表場所
      グランシップ(静岡県)
    • 年月日
      2009-09-17

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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