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2009 年度 実績報告書

性ステロイドホルモン受容体の分子進化の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20570064
研究機関北海道大学

研究代表者

勝 義直  北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (00332180)

キーワードステロイドホルモン / 核内受容体 / 分子進化
研究概要

ステロイドホルモンは、その受容体と結合することにより生体の恒常性維持、内分泌器官への作用など、様々な組織で多彩な作用機構を有している。本研究では、この性ステロイドホルモンの受容体が、どのように分子進化をしてきたのか、また、ステロイドホルモンとの結合能の獲得・特異性や転写因子としての働き等、受容体としての機能獲得の進化上の段階を解明し、ステロイドホルモン受容体の分子進化を統一的に理解する事を目的としている。本年度は、脊椎動物に最も近いといわれている脊索動物であるナメクジウオから2種類のステロイドホルモン受容体遺伝子の単離に成功した事が特筆される。ナメクジウオのステロイドホルモンの合成経路についてはかなり理解されているが、それらホルモンの受容体に関しては不明であった。PCR法を駆使してナメクジウオから2種類のステロイドホルモン受容体遺伝子を単離した。一つ目は、脊椎動物のエストロゲン受容体のオーソログ(ER)であると考えられ、残りの1つはアンドロゲン受容体のようなケトステロイドホルモンの受容体のオーソログ(SR)である事が判明した。機能解析を行なったところ、興味深い事にナメクジウオのERは脊椎動物のERが認識するDNA配列とは結合できるが、リガンド依存的な転写活性を持たない事が分かった。これはナメクジウオERがリガンドであるエストロゲンと結合しない事によるものである。さらにナメクジウオSRはケトステロイドではなくエストロゲンと結合し、エストロゲン受容体が認識するDNA配列と結合できる事が分かった。これらの結果は、性ステロイドホルモン受容体の分子進化を理解する上で非常に興味深い知見であり、大きなインパクトのある実験結果である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Estrogen-dependent transactivation of amphioxus steroid hormone receptor via both estrogen- and androgen response elements.2010

    • 著者名/発表者名
      Katsu, Kubokawa, Urushitani, Iguchi
    • 雑誌名

      Endocrinology 151

      ページ: 639-648

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Sexual reprogramming and estrogenic sensitization in wild fish exposed to ethinylestradiol2009

    • 著者名/発表者名
      Lange, Paull, Coe, Katsu, Urushitani, Iguchi, Tyler
    • 雑誌名

      Environ.Sci.Technol. 43

      ページ: 1219-1225

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Environmental health impacts of equine estrogens derived from hormone replacement therapy.2009

    • 著者名/発表者名
      Tyler, Filby, Bickley, Cumming, Gibson, Labadie, Katsu, Liney, Shears, Silva-Castro, Urushitani, Lange, Winter, Iguchi, Hill
    • 雑誌名

      Enrivon.Sci.Technol. 43

      ページ: 3897-3904

    • 査読あり
  • [学会発表] ナメクジウオの2種類のステロイドホルモン受容体遺伝子の単離と機能解析2009

    • 著者名/発表者名
      勝義直, 窪川かおる, 漆谷博志, 井口泰泉
    • 学会等名
      日本動物学会(第80回)
    • 発表場所
      静岡
    • 年月日
      2009-09-18

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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