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2010 年度 実績報告書

魚類における新規グレリン受容体の同定と作用連関の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20570065
研究機関独立行政法人国立循環器病研究センター

研究代表者

海谷 啓之  独立行政法人国立循環器病研究センター, 生化学部, 室長 (40300975)

研究分担者 宮里 幹也  独立行政法人国立循環器病研究センター, 生化学部, 部長 (50291183)
キーワードグレリン / 受容体 / キンギョ / 脳 / 腸 / 内在性 / ペプチド / 精製
研究概要

これまでの哺乳類を中心としたグレリンの研究では、1種の受容体と、そのリガンドであるグレリンが1種類同定されている。一方、ゼブラフィッシュやキンギョには、アミノ酸配列や性質の異なる2種のグレリン受容体1a、2aが存在する。このことは、キンギョを用いた研究からその各々2種の受容体に対するリガンド、すなわち第2のグレリンが同定できる可能性、また生体における新しいグレリンシステムの存在を示すことができる可能性を示唆する。
22年度は、21年度までに同定した4種類のキンギョグレリン受容体(gfGHS-R)1a-1、1a-2、2a-1、2a-2のうち、キンギョグレリンに対して親和性の低かった1a-1、1a-2に対する新しい内在性リガンドの存在を想定し、そのペプチド性リガンドの同定を目指して研究を遂行した。ペプチドホルモンの多い脳およびグレリンの存在する腸の組織抽出物からペプチド画分を得、イオン交換クロマトグラフィーで強塩基性画分を調整し、ゲル濾過HPLC、CMイオン交換HPLC、逆相HPLC等、各種クロマトグラフィーで展開したペプチド分画をgfGHS-R1a-1、1a-2、2a-1ならびにラットグレリン受容体(rGHS-R)を発現させた細胞に処理し、細胞内Caイオン濃度の上昇を指標に新規グレリンを追跡した。
その結果、グレリンに高親和性のgfGHS-R2a-1ならびにrGHS-Rでは同定済みのキンギョグレリンを検出し単離できたが、gfGHS-R1a-1および1a-2に対して高親和性に反応するペプチド分画を得ることはできなかった。
以上の結果から、少なくとも脳と腸には第2のグレリンが存在していない可能性が高いと結論された。一方、既知のキンギョグレリン遺伝子は脾臓でも高い発現が認められる。従って、脾臓に想定するペプチドが存在する可能性は残っているが、本年度はその実験を遂行することができなかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Two functional growth hormone secretagogue receptor (ghrelin receptor) type 1a and 2a in goldfish, Carassius auratus.2010

    • 著者名/発表者名
      Kaiya H, Miura T, Matsuda K, Miyazato M, Kangawa K.
    • 雑誌名

      Molecular and Cellular Endocrinology

      巻: 327 ページ: 25-39

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Ghrelin affects carbohydrate-glycogen metabolism via insulin inhibition and glucagon stimulation in the zebrafish (Danio rerio) brain.2010

    • 著者名/発表者名
      Cruz SA, Tseng YC, Kaiya H, Hwang PP
    • 雑誌名

      Comparative Biochemistry and Physiology A

      巻: 156 ページ: 190-200

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Ghrelin-like peptide with fatty acid modification and O-glycosylation in the red stingray, Dasyatis akajei.2010

    • 著者名/発表者名
      Kaiya H, Kodama S, Ishiguro K, Matsuda K, Uchiyama M, Miyazato M, Kangawa K.
    • 雑誌名

      BMC Biochemistry

      巻: 10 ページ: 30

    • 査読あり
  • [学会発表] 無尾両生類2種のグレリン受容体(GHS-R1a)の同定2010

    • 著者名/発表者名
      海谷啓之、小泉泰士、今野紀文、内山実、寒川賢治、宮里幹也
    • 学会等名
      日本比較内分泌学会
    • 発表場所
      静岡
    • 年月日
      20101118-20101120

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公開日: 2012-07-19  

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