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2009 年度 実績報告書

昆虫の視物質回路網の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20570069
研究機関島根大学

研究代表者

尾崎 浩一  島根大学, 生物資源科学部, 教授 (90194539)

キーワード視物質 / Visual Cycle / 昆虫 / レチノイド / 異性化 / 網膜 / 視細胞 / コオロギ
研究概要

1. ショウジョウバエのvisual cycle関連蛋白質
ミツバチ網膜の水溶性画分に特異的に存在し、レチナールの光異性化に関与するレチノイド結合蛋白質を電気泳動により分離し、PMFを用いた一次構造の解析を行った。その結果、最も有力な候補蛋白質として、「プロスタグランジン脱水素酵素類似蛋白質」が同定された。そこで、この配列を用いてショウジョウバエのゲノムデータを解析したところ、すでに我々が単離・同定に成功し、色素細胞に特異的に存在することが明らかとなっている酸化還元酵素(PDH)が、最もホモロジーの高い蛋白質として検出され、この蛋白質が、ショウジョウバエ網膜のvisual cycleにおいて、全トランスレチナールの光による11-シス形への異性化に寄与していることが、強く示唆された。PDHは、レチナールーレチノールの酸化還元反応にも関与することが示されており、今回の結果は、この蛋白質が昆虫網膜のvisual cycleにおいてきわめて重要な役割を果たしていることを示すものである。
2. コオロギ網膜におけるレチノイド代謝経路
明および暗順応状態において、コオロギ複眼に含まれるレチノイドの組成を分析し、その変化から、網膜における発色団代謝経路を解析した。その結果、視物質の光反応により生じた全トランスレチナールはレチノールに還元されたのち色素細胞に運ばれ、そこで再びレチナールに酸化されて11-シス形に光異性化されることが示唆された。次年度はこの経路を作業仮説とし、レチノイド代謝に関与する蛋白質の同定と、その機能解析を行う予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 甲殻類十脚目複眼の比較生理生化学2009

    • 著者名/発表者名
      尾崎浩一
    • 学会等名
      日本比較生理生化学会第31回大会
    • 発表場所
      千里ライフサイエンスセンター(大阪府)
    • 年月日
      2009-10-23
  • [学会発表] ズワイガニ複眼に含まれるカロテノイド色素について2009

    • 著者名/発表者名
      尾崎浩一
    • 学会等名
      第80回日本動物学会大会
    • 発表場所
      静岡グランシップ(静岡県)
    • 年月日
      2009-09-17
  • [学会発表] アフリカツメガエル胚の解離胚細胞の空間的再配置における細胞運動性2009

    • 著者名/発表者名
      原田綾乃
    • 学会等名
      第80回日本動物学会大会
    • 発表場所
      静岡グランシップ(静岡県)
    • 年月日
      2009-09-17
  • [図書] 動物の「動き」の秘密にせまる2009

    • 著者名/発表者名
      尾崎浩一
    • 総ページ数
      238
    • 出版者
      共立出版

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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