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2011 年度 実績報告書

テトラヒメナのアルギニンキナーゼの構造,機能,及び進化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20570072
研究機関高知大学

研究代表者

鈴木 知彦  高知大学, 教育研究部・自然科学系, 教授 (60145109)

研究分担者 宇田 幸司  高知大学, 教育研究部・自然科学系, 助教 (10448392)
キーワード酵素 / 基質特異性 / アルギニンキナーゼ / テトラヒメナ / 進化
研究概要

原生生物テトラヒメナ(Tetrahymena pyriformis)の繊毛運動の持続のためには,ATPの連続的な供給が必要であり,それはアルギニンキナーゼ(AK)を介した「アルギニンリン酸シャトル」機構によって維持されていると考えられる.我々は,テトラヒメナに分子量の異なる二種類のAK(40kDaのAKI及び遺伝子の重複と融合によって生じた2ドメイン型80kDaのAKII)が含まれ,免疫抗体法に基づいて,AKlは繊毛に,AKllは細胞内全般に局在していることを見い出した.
本年度は,先ず,2ドメイン型AKIIとAKIの酵素機能に違いを明確にした.AKI並びにAKII,そしてAKIIの2つのドメインを切り離した計4種類のリコンビナント酵素を作成し酵素活性を測定した。AKnの各ドメインは単独でも活性を示し,ドメイン間に相互作用があることも確認された.AKlとAKlIの触媒効率K_<cat>/K_d^<Arg>・K_m^<ATP>値を上ヒ較すると,AKIがAKIIよりも約1.5倍程度高いことから,AKIの方がより効率的な酵素であると考えられた.従って,両酵素は,局在する場所に応じたそれぞれの酵素機能を持つと言える.
AKIのN末端配列にミリストイル化シグナルがあることに注目し,「AKIに存在する疎水的なミリストイル基がAKIの繊毛膜への局在を促進しているのではないか」という作業仮説を立てて,これを実証していくための基礎実験を行った.ミリストイル化が起こるためには,その反応を触媒する酵素ミリストイルトランスフェラーゼ(NMT)が必要である.NMTが原生生物にも存在することをEST及びゲノムデータベースを解析して確認した.縮重PCRプライマーを用いて,テトラヒメナのNMTの大部分をPCR増幅した.また,NMTで最も性質が良く分かっているシロイヌナズナの遺伝子クローニングにも着手した.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Identification of amino acid residues responsible for taurocyamine binding in mitochondrial taurocyamine kinase from Arenicola brasiliensis2011

    • 著者名/発表者名
      Tanaka K.
    • 雑誌名

      Biochim.Biophys.Acta

      巻: 1814 ページ: 1219-1225

    • DOI

      doi:10.1016/j.bbapap.2011.06.003

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Molecular and catalytic properties of an arginine kinase from the nematode Ascar is suum2011

    • 著者名/発表者名
      Nagataki M.
    • 雑誌名

      J.Helminthol.

      巻: 25 ページ: 1-11

    • DOI

      doi:10.1017/S0022149X11000381

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Molecular characterization of a cDNA-derived phosphagen kinase from Biomphalaria glabrata, the intermediate host of Schistosoma mansoni2011

    • 著者名/発表者名
      Agatsuma T.
    • 雑誌名

      Med.Entomol.Zool.

      巻: 62 ページ: 1-11

    • 査読あり
  • [学会発表] テトラヒメナ(Tetrahymena pyriformis)のアルギニンキナーゼ(AK)のN-ミリストイル化2011

    • 著者名/発表者名
      岡崎紀子
    • 学会等名
      日本動物学会第82回大会
    • 発表場所
      旭川市,大雪クリスタルホール
    • 年月日
      2011-09-22
  • [備考]

    • URL

      http://p164056.cc.kochi-u.ac.jp/

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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