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2010 年度 実績報告書

筋収縮制御因子トロポニンの非横紋筋細胞での機能的役割

研究課題

研究課題/領域番号 20570075
研究機関帝京平成大学

研究代表者

大日方 昂  帝京平成大学, 現代ライフ学部, 非常勤講師 (40012413)

研究分担者 佐藤 成樹  千葉大学, 大学院・融合科学研究科, 講師 (40261896)
キーワードトロポニン / 収縮運動 / カルシウム制御タンパク質 / 非横紋筋細胞 / アクチン線維 / アクチン・ミオシン相互作用 / クマムシ / ホヤ
研究概要

非横紋筋細胞におけるトロポニンの解析を前年度に続き行った。今年度は、これまで主に研究対象とした線虫に近縁の微小動物クマムシ(緩歩動物門)を用いて非横紋筋細胞にトロポニンが存在するかを解析した。この動物では、全身に非横紋筋細胞が張り巡らされていることが知られている。これまでの電子顕微鏡観察によればこれらの細胞内では平滑筋の場合の様にアクチン線維が細胞内を走行している。クマムシを凍結割断して、抗線虫TnI抗体で処理すると、咽頭部の筋を除くからだのほとんど全域の単核の平滑筋様細胞がアクチンと同様のパターンで染色されることが認められた。クマムシの全抽出タンパク質の抗TnI抗体を用いたウエスタンブロット解析で単一のバンドが検出された。クマムシのTnIと思われるタンパク質は線虫のTnIよりやや小さく分子量は31,000程である。さらに、トロポニンをもつアクチン線維が運動装置から解離する(弛緩する)条件、即ちカルシウムキレート剤(EGTA)とATPを含む生理的塩濃度の溶液中でクマムシをホモジェナイズするとTnIをもつアクチン線維が解離することが認められた。以上の観察から、クマムシの非横紋筋細胞ではトロポニンがアクチン線維に存在し、収縮制御を担っているであろうと推測された。クマムシのトロポニンの検出は世界最初であり、線虫のケースに続く非横紋筋細胞トロポニンのもう一例として意義深い。なお、抗線虫TnC抗体を用いて調べたところ、反応性はみられず、線虫とクマムシTnCでは抗原性が異なると推測される。クマムシ以外に、非横紋筋細胞をもつと推測されるプラナリアでも解析を試みたが、解析に使える抗体を用意できず結果を得ることは出来なかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Troponin I controls ovulatory contraction of non-striated actomyosin networks in the C.elegans somatic gonad2010

    • 著者名/発表者名
      Obinata, T.
    • 雑誌名

      Journal of Cell Science

      巻: 123 ページ: 1557-1566

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Troponin in both smooth and striated muscles of ascidian, Ciona intestinalis, functions as a Ca^<2+>-dependent accelerator of actin-myosin interaction2010

    • 著者名/発表者名
      Ohshiro, K.
    • 雑誌名

      Biochemistry

      巻: 49 ページ: 9563-9571

    • 査読あり
  • [学会発表] 非横紋性運動細胞のアクチン細胞骨格へのトロポニンの局在2010

    • 著者名/発表者名
      大日方昂, 斧加奈子, 斧正一郎
    • 学会等名
      日本動物学会第81回大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20100900

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公開日: 2012-07-19  

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