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2010 年度 実績報告書

魚類赤・黄色素胞のプロラクチン受容体とそのシグナル伝達機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20570076
研究機関東邦大学

研究代表者

大島 範子  東邦大学, 理学部, 教授 (70057735)

研究分担者 岩室 祥一  東邦大学, 理学部, 准教授 (70221794)
キーワード魚類 / 赤色素胞 / 黄色素胞 / プロラクチン受容体 / 塩基配列 / 細胞内情報伝達 / RT-PCR
研究概要

1) ゴールデンバルブの赤・黄色素胞からプロラクチン受容体(PRLR)のクローニングを行った結果、923塩基、307アミノ酸を同定することができ、昨年度得られたゼブラフィッシュPRLR-aとの塩基配列の相同性は83%であった。これらの結果より、魚類の赤・黄色素胞のプロラクチン受容体はPRLR1型(PRLR-aもこのタイプに含まれる)に属すると結論した。
2) PRLR1型を介する情報伝達はこれまでJanus kinaze(Jak2)チロシンキナーゼ-STAT pathwayを経ており、STATが核内DNAと相互作用すると考えられている。しかし、哺乳動物では近年、Jak2のSH2ドメインを介してGrab2のチロシンのリン酸化が起こり、リン酸化されたGrab2がRas(低分子量Gタンパク質)の活性化を誘起するという、従来とは異なる経路が報告された(Charles et. al., 2008)。また、酵母においてRasがACを活性化する経路が報告された(Sarah and Micheal, 2008)。そこで、Jak2の阻害剤WP1066、Rasの阻害剤Sulindac Sulfideの効果を調べたところ、いずれも濃度依存的にPRLによる黄色素胞拡散を阻害した。
3) 続いて、精製した活性化Rasの定量化を試みた。PRLで処理された皮膚標本において活性化Rasのバンドが濃く出ていた。
4) さらに、Grb2全量に対してチロシンリン酸化された割合を決定した。PRL未処理サンプルに比べて、PRL処理サンプルの方がP-tyr/Grb2の値が高かった。
5) これまでに得られた全ての実験結果から、PRL受容体-Jak2-Grb2-Ras-AC-PKAというPRL新規シグナル伝達経路を提案する。この伝達経路によって赤・黄色素胞では細胞内cAMP濃度上昇が起こり、色素拡散が生じると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] ゼブラフィッシュ黄色素胞におけるRasを介する新規プロラクチンシグナル伝達機構2010

    • 著者名/発表者名
      矢野雄大、西口慶一、大島範子
    • 学会等名
      日本動物学会第81回大会
    • 発表場所
      東京大学駒場キャンパス(東京都)
    • 年月日
      2010-09-23
  • [備考]

    • URL

      http://www.mnc.toho-u.ac.jp/v-lab/fish/index.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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