研究課題
これまでのホヤタキキニンCi-TKとその受容体Ci-TK-Rを対象とした研究により、Ci-TKは卵細胞に作用してプロテーゼの遺伝子発現および酵素活性を上昇させ、卵細胞成長を誘導するというタキキニンの新たな生理作用を解明した。また、21年度の取り組みにより、(1)ホヤ卵黄形成期卵細胞のtest cellにCi-TKで発現と酵素活性が上昇するカテプシンDやカルボキシペプチダーゼB1が発現していること、(2)哺乳類(マウス)卵細におけるタキキニンおよびそれらの受容体NK1、NK2、NK3が一次卵胞と二次卵胞の顆粒膜細胞と莢膜細胞に特異的に存在していること、(3)NK1、NK2、NK3とカテプシンDやカルボキシペプチダーゼB1が同細胞群に共存していること、(4)NK1、NK2、NK3の各タキキニン受容体の選択的アンタゴニストがほぼ同等に二次卵胞から前胞状卵胞への成長を完全に阻害し、この効果が相加的であったことから、これらの内因性リガンドであたSP、NKA、NKBが二次卵胞から前胞状卵胞への成長に不可欠であることを計画通り決定した。これは、タキキニンが哺乳類の二次卵胞の成長を促進する作用があることを示した初めての研究結果である。以上の結果から、申請者らが発見したCi-TKによるプロテアーゼを介した卵細胞成長促進機能はマウスでも保存されており、その機構においてSP、NKA、NKBが同等の生物学的役割を果たしていることが示唆された。
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