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2010 年度 実績報告書

ミトコンドリアゲノム解析によるダニ類の系統と進化の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20570098
研究機関福山大学

研究代表者

福長 将仁  福山大学, 薬学部, 教授 (20132483)

研究分担者 田淵 紀彦  福山大学, 薬学部, 講師 (60330685)
キーワードミトコンドリアゲノム / 系統解析 / Acariformes / ツツガムシ / 遺伝子構成 / 進化 / 適応放散
研究概要

節足動物に媒介される感染症病原体は細菌、ウイルス、原虫など多くの種類がある。そしてその病原体については詳しく研究が行われているのに対し、媒介動物についてはマラリアなどを除いては少数である。本研究では国内で近年増加傾向にあるツツガムシ病に着目しその媒介ダニと近縁生物の系統解析を行い本感染症流行の理解ならびに予防に資することを目的とした。ツツガムシ媒介種であるLeptotrombidium属12種のほかAscoshoengastia, Eutrombocula, Gahrliepia, Neotrombicula, Walchia, yellow chigger, red chiggerのミトコンドリアゲノム解析を行い遺伝子構成を比較、またはcox1遺伝子配列などにより系統樹を作成した。その結果、ツツガムシ病媒介種にはふたつの系統があることが明らかになり、それぞれツツガムシ病流行期、春-夏と秋-冬に一致した。従ってそれぞれの流行期に感染症を媒介するダニは系統が異なること、さらに採取ダニの分布域からこれらの系統のツツガムシは異なったルートから適応放散してきたことが裏付けられた。またミトコンドリアゲノムの遺伝子構成比較からLeptotrombidium属内部においてすら頻繁な遺伝子再編成が起こっていること、さらに別属ダニの構成はほぼ全ての遺伝子の位置関係が変化していて遺伝子の転移、反転、組み換えが盛んであることは解った。このユニークなミトコンドリア遺伝子構成は我々の他のダニ類の研究結果あるいは過去の文献から得られるもに比較してもきわめて変化の激しいものであった。しかしこの理由については現時点では不明である。

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公開日: 2012-07-19  

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