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2009 年度 実績報告書

小胞体カルシウムポンプのリン酸化中間体の異性化とカルシウム輸送の連関

研究課題

研究課題/領域番号 20570102
研究機関旭川医科大学

研究代表者

大保 貴嗣  旭川医科大学, 医学部, 准教授 (90207267)

キーワードCa^<2+>-ATPase / mutation / sarco(endo)plasmic reticulum / analog / phosphoenzyme / P-type ATPase / calcium / ion transport
研究概要

筋小胞体Ca^<2+>-ATPaseはリン酸化中間体(EP)の形成分解を経てCa^<2+>を輸送する。小胞体lumenへのCa^<2+>放出は、膜ドメインの輸送部位にCa^<2+>を閉塞したCa_2E1PからCa^<2+>非結合型のE2Pへの異性化過程でおこる。このとき、細胞質の3ドメイン(A,P,N)のうちAドメインが大きく回転してP-Nドメインと結合し、この変化が膜ドメインに伝わる。筆者は以前、AドメインとM1を結ぶlinker(Glu^<40>-Ser^<48>)の長さが適切であることがEPの転換から分解までの各過程に重要であることを示した。特に、Gly挿入でそのLinkerを伸長したmutantではCa^<2+>放出がブロックされてCa_2E2Pが蓄積し、筆者はこの中間体を世界で初めてtrapすることに成功した。1.そこで、Ca_2E2Pの構造解析を目的として、リン酸アナログのBe/Fをそのmutantに結合させ、Ca_2E2Pアナログ(Ca_2E2・BeF_<3->)を開発することに成功した。2.さらに、これまでなかったCa_2E1Pアナログ(Ca_2E1・BeF_<3->)を開発することに成功した。3.A-Nドメイン接触領域にあるSer^<186>-Glu^<439>の水素結合形成がE2Pの構造を安定化させること、またATPによるEP構造転換の促進を生起させることを示した。4.E1P-E2P転換にて、K^+非存在下ではADP感受性の喪失とCa^<2+>放出が独立に起こりうることを示した。これよりPドメインへのK^+結合の生理的意義を明らかにした。5.AドメインとM2を結ぶA/M2-linker、およびM2の役割を部位特異的変異導入により解析した。これよりA/M2-linkerの長さが適切であること、またM2上部がnative構造であることがE2Pの加水分解に重要であることを示した。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Ca^<2+>ポンプの分子作動機構:部位特異的変異及びリン酸化中間体アナログの開発と構造解析による理解2010

    • 著者名/発表者名
      鈴木裕
    • 雑誌名

      YAKUGAKU ZASSHI 130

      ページ: 179-189

  • [雑誌論文] Formation of the Stable Structural Analog of ADP-sensitive Phosphoenzyme of Ca^<2+>-ATPase with Occluded Ca^<2+> by Beryllium Fluoride : STRUCTURAL CHANGES DURING PHOSPHORYLATION AND ISOMERIZATION2009

    • 著者名/発表者名
      Stefania Danko
    • 雑誌名

      The Journal of Biological Chemistry 284

      ページ: 22722-22735

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Roles of Interaction between Actuator and Nucleotide Binding Domains of Sarco(endo)plasmic Reticulum Ca^<2+>-ATPase as Revealed by Single and Swap Mutational Analyses of Serine 186 and Glutamate 4392009

    • 著者名/発表者名
      Xiaoyu Liu
    • 雑誌名

      The Journal of Biological Chemistry 284

      ページ: 25190-25198

    • 査読あり
  • [学会発表] 筋小胞体Ca^<2+>-ATPaseのリン酸化中間体転換とCa^<2+>輸送;細胞質領域アクチュエータードメインと膜貫通ヘリックスを結ぶループの役割2009

    • 著者名/発表者名
      大保貴嗣
    • 学会等名
      日本生体エネルギー研究会 第35回討論会
    • 発表場所
      旭川
    • 年月日
      2009-12-20
  • [学会発表] 筋小胞体Ca^<2+>-ATPaseのE1P-E2P転換とCa^<2+>輸送の共役におけるK^+の役割2009

    • 著者名/発表者名
      山崎和生
    • 学会等名
      日本生体エネルギー研究会 第35回討論会
    • 発表場所
      旭川
    • 年月日
      2009-12-20
  • [学会発表] 筋小胞体Ca^<2+>-ATPaseの高濃度ATPによる促進効果について;Actuator/M1-linkerを伸長させた変異体を用いた解析2009

    • 著者名/発表者名
      大保貴嗣
    • 学会等名
      第82回 日本生化学会大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2009-10-26
  • [学会発表] 筋小胞体Ca^<2+>-ATPaseのE1P-E2P転換とCa^<2+>輸送の共役におけるK^+の役割2009

    • 著者名/発表者名
      山崎和生
    • 学会等名
      第82回 日本生化学会大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2009-10-26
  • [学会発表] 筋小胞体Ca^<2+>-ATPaseのリン酸化中間体転換とCa^<2+>輸送;細胞質領域Actuatorドメインと膜貫通ヘリックスM1を結ぶループの役割2009

    • 著者名/発表者名
      大保貴嗣
    • 学会等名
      日本生化学会北海道支部例会
    • 発表場所
      旭川
    • 年月日
      2009-07-17
  • [学会発表] 筋小胞体Ca^<2+>-ATPaseのE1P-E2P転換とCa^<2+>輸送の共役におけるK^+の役割2009

    • 著者名/発表者名
      山崎和生
    • 学会等名
      日本生化学会北海道支部例会
    • 発表場所
      旭川
    • 年月日
      2009-07-17

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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