大腸菌染色体複製に関与する蛋白質の構造解析を行い、その構造をもとに相互作用を調べ、さらにはその相互作用が実際に生物機能に関与しているのかを以下検討した。 1)細胞分裂機構再活性化因子CedAに関する機能解析 研究期間内でCedAのC末領域配列特異的なDNA配列を同定し、N末領域のRNA polymeraseの結合部位を同定した。またN末領域が細胞分裂機構再活性化に深く関与することを明らかにした。 2)大腸菌複製開始調節因子HSPQに関する機能解析 研究期間内でHSPQ基質であるDnaA508が野生型のDnaAよりも凝集しやすいことを見いだした。そのことから、HSPQの細胞内機能が凝集促進活性であることを見いだした。X線結晶解析のデータを元に変異体を使った検討からHSPQの細胞内機能のモデルを構築した。 3)大腸菌複製再開始プライモソーム構成因子の機能解析 研究期間内でプライモソーム構成因子の構造解析を行いながら、相互作用の検討を行った。Pricに関しては、N末ドメインの構造決定とC末ドメインが一本鎖DNA結合に関与していることを示した。またDnaTに関してもドメイン化に成功し、N末ドメインが分子重合に関与し、C末ドメインが一本鎖DNAへの結合能を持っていることを示した。またC末ドメインに関してはNMRにより構造決定を行った。 これらの内容はこれまで学会発表を行っており、現在論文を執筆しており、一部は投稿中である
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