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2009 年度 実績報告書

レギュレータープロテオミクスによる新規の筋分化因子およびユビキチン化装置の探索

研究課題

研究課題/領域番号 20570123
研究機関千葉大学

研究代表者

田村 隆明  千葉大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30112692)

キーワード筋分化 / ユビキチン化 / TIP120 / SCF
研究概要

本研究課題では、筋肉におけるタンパク質分解の新たな制御機構、制御因子の発見を念頭に、特にユビキチン-プロテアソーム系に注目して研究を行った。筋肉はタンパク質分解の盛んな組織であり、骨格筋はある種の疾病や神経切断、筋肉の不使用などにより急速に委縮する。研究代表者らはこれまでの研究により、培養化された筋管細胞において、筋分化因子の一つマイオジェニンが急速に分解され、そこにユビキチンリガーゼであるSCF複合体が関与する事を明らかにしている。SCFはSkp1,Cul1,F-boxタンパク質からなるが、Cul1は触媒活性をもち、F-boxタンパク質は標的タンパク質結合という標的特異性に関る部分で、Skp1はCul1とF-boxタンパク質を連結している。さらにTIP120BはCul1と結合し、それによってSCF複合体を解離させるというユビキチン化にとって負に働く因子である。以上のような背景を踏まえ、本年度の研究では以下のような成果が得られた。まずSCF複合体のさらなる解析を行ない、った。これまで未知であったF-boxタンパク質について、MAFbxがその候補として浮かび上がったが、今年度はMAFbxのcDNAおよび抗体を使用し、この因子がMAFbxであることを確定させた。細胞内ユビキチン化解析の結果、MAFbxを含むSCFがマイオジェニンのユビキチン化に関わる事を明らかにした。TIP120Bは筋分化を促進する。昨年度はTIP120Bの遺伝子発現は筋分化にともなって発現するという現象を見出し、その発現制御機構を検討したが、本年度は複数存在するMyoD結合部位のうち、最も重要なものとして、一つの領域を同定した。これとは別にMAFbxの遺伝子発現がMyoDで活性化されるという現象を見出し、その制御領域が遺伝子上流約3kb以内に含まれることを明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Identification of MAFbx as a Myogenin-Engaged F-box Protein in SCF Ubiquitin Ligase2009

    • 著者名/発表者名
      城後美沙子、白石征士、田村隆明
    • 雑誌名

      FEBS Letters 583

      ページ: 2715, 2719

    • 査読あり
  • [雑誌論文] TATA-binding Protein-like Protein Is Engaged in Etoposide-induced Apoptosis through Transcriptional Activation of Human TAp63 Gene2009

    • 著者名/発表者名
      末永雄介、中川原章、田村隆明, 他
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry 284

      ページ: 25433, 25440

    • 査読あり
  • [学会発表] 筋分化過程においてTIP120BとMyoDの間に見られる正の制御機構2009

    • 著者名/発表者名
      鈴木あい、白石征士、田村隆明
    • 学会等名
      第32回日本分子生物学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2009-12-11
  • [学会発表] マイオジェニンのユビキチン化に関するF-boxタンパク質の同定2009

    • 著者名/発表者名
      城後美沙子、竹脇万紗、田村隆明, 他
    • 学会等名
      第32回日本分子生物学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2009-12-09
  • [図書] 基礎細胞生物学2010

    • 著者名/発表者名
      田村隆明
    • 総ページ数
      328
    • 出版者
      東京化学同人
  • [図書] 遺伝子工学実験ノート2009

    • 著者名/発表者名
      田村隆明
    • 総ページ数
      130
    • 出版者
      羊土社

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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