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2010 年度 実績報告書

レギュレータープロテオミクスによる新規の筋分化因子およびユビキチン化装置の探索

研究課題

研究課題/領域番号 20570123
研究機関千葉大学

研究代表者

田村 隆明  千葉大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30112692)

キーワード筋分化 / ユビキチン化 / TIP120 / SCF
研究概要

本研究課題では、筋肉におけるタンパク質分解の新たな制御機構、制御因子の発見を念頭に、特にユビキチン-プロテアソーム系に注目して研究を行った。筋肉はタンパク質分解の盛んな組織であり、骨格筋はある種の疾病や神経切断、筋肉の不使用などにより急速に委縮する。研究代表者らはこれまでの研究により、培養化された筋管細胞において、筋分化因子の一つマイオジェニンが急速に分解され、そこにユビキチンリガーゼであるSCF複合体が関与する事を明らかにしている。SCFはSkp1,Cul1,F-boxタンパク質からなるが、Cul1は触媒活性をもち、F-boxタンパク質は標的タンパク質結合という標的特異性に関る部分で、Skp1はCul1とF-boxタンパク質を連結している。さらにTIP120BはCul1と結合し、それによってSCF複合体を解離させるというユビキチン化にとって負に働く因子である。以上のような背景を踏まえ、本年度の研究では以下のような成果が得られた。まずマイオジェニン分解にかかわるSCF複合体の1成分であるMAFbxについて、そのゲノムDNA(とりわけプロモーター部位)を取得し、転写制御解析を行った。その結果、MAFbxの発現にはMyoDとマイオジェニンの双方が関わることが示唆された。双方とも筋分化に正に効く転写因子であるが、それらが筋萎縮に働くMAFbxの発現にも関わる事が示唆された。この現象は、筋肉組織がタンパク質の分解と合成を並行させている組織である事を考えると、非常に興味深い。続いてTIP120B遺伝子の遺伝子発現についても検討した。その結果、ヒトやマウスのいずれのTOP120B遺伝子においても、上流部分のMyoD結合配列が転写に正にかかわり、MyoD因子が実際に転写の上昇に関わることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [学会発表] ヒトP21プロモーターをモデルとしたTBP-hke protein(TLP)の機能解析2010

    • 著者名/発表者名
      伊藤亮、池田香織、小野恵美、田村隆明
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2010-12-06
  • [学会発表] CIEBPαによるTLPを介したTAp63遺伝子転写制御機構2010

    • 著者名/発表者名
      熊谷友紀、末永雄介、田村隆明
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2010-12-06
  • [図書] 医療・看護のための生物学2010

    • 著者名/発表者名
      田村隆明
    • 総ページ数
      180
    • 出版者
      裳華房

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公開日: 2012-07-19  

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