自己免疫ターゲット遺伝子ouroと、それに関わる免疫細胞の作用機序を明らかにするために、当研究グループにより既にFOの遺伝子導入(トランスジェニック)ツメガエルが作製されていたが、それらをかけ合わせ、より遺伝的に均一なF2世代を作製した。これによって約60日間続く幼生期の特定の発生段階における過剰発現による機能解析が可能となった。それによると、成体型の免疫系が発現する時期と、過剰発現によって尾の早まった崩壊が起こる時期が一致することが判った。また2つあるouro遺伝子のうち、片方のみ過剰発現をさせても同様の表現型は得られない。この結果から、ouroタンパクは2つ共に発現することで機能することが推察できる。 そこで、内在性のタンパクの発現を調べるために、遺伝子配列を元としたリコンビナントタンパクを作製し、モノクローナル抗体の作製を試みたが、ハムスターではよい抗体が出来たが、二重染色を目的としたラットでは十分な抗体価が得られなかった。哺乳類では現在までに類似のタンパクの発現は確認されていないが、抗体が出来にくいなどの種特異性が有るのかもしれない。変態期のような発生後期のWISH法はまだ難しく、内在性の発現を知るためには今後種を変えるなどして抗体の作製を再度試みる必要がある。
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