ジアシルグリセロールキナーゼによるNFκB活性化機構の解明

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20570135
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 機能生物化学
• 研究機関: 札幌医科大学
• 研究代表者: 甲斐 正広 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80260777)
• 研究分担者: 坂根 郁夫 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (10183815)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2010
• キーワード: NFκB / アポトーシス / ジアシルグリセロールキナーゼ / メラノーマ

研究概要

ヒトメラノーマ(悪性黒色腫)細胞では腫瘍壊死因子(TNF)αによるアポトーシスが起こりにくいことが知られている。本研究ではその原因が、メラノーマで異常に発現の多いジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)αがプロテインキナーゼCζを介して転写因子NFκBを活性化するためであることを示唆した。実際、マウス皮下にメラノーマ腫瘍を形成させ、これにDGKα発現抑制剤(siRNA)およびTNFαを投与したところ、腫瘍の成長速度は有意に減少した。メラノーマ治療における新しい標的分子としてDGKαはきわめて有望な候補と考えられる。

研究成果

• [雑誌論文] Diacylglycerol kinase α enhances protein kinase Cζ-dependent phosphorylation at Ser311 of p65/RelA subunit of nuclear factor-κB. (2009)
  • 著者名/発表者名: Kai M, Yasuda S, Imai S, Toyota M, Kanoh H, Sakane F.
  • 雑誌名: FEBS Lett 583 ページ: 3265-3268
  • 査読あり
• [学会発表] PKCζによるp65のリン酸化がメラノーマ細胞におけるジアシルグリセロールキナーゼαからNF-κBへのシグナル伝達を仲介する (2009)
  • 著者名/発表者名: 甲斐正広、安田智、今井伸一、鈴木拓、今井浩三、豊田実、坂根郁夫
  • 学会等名: 第68回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2009-10-03
• [学会発表] Diacylglycerol kinase α suppresses tumor necrosis factor-α-induced apoptosis of human melanoma cells through NF-κB activation. (2009)
  • 著者名/発表者名: Kai M, Yanagisawa K, Yasuda S, Sakane F
  • 学会等名: In : 4th International Conference on Phospholipase A2 and Lipid Mediators
  • 発表場所: Tokyo, Japan
  • 年月日: 2009-05-28
• [学会発表] メラノーマ細胞におけるジアシルグリセロールキナーゼα依存性のNF-κB活性化にはプロテインキナーゼCζが関与する (2008)
  • 著者名/発表者名: 甲斐正広、今井伸一、安田智、柳澤健二、豊田実、加納英雄、坂根郁夫
  • 学会等名: 第31回日本分子生物学会年会/第81回日本生化学会大会 合同大会
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2008-12-09
• [学会発表] メラノーマ細胞におけるジアシルグリセロールキナーゼα依存性NF-κB活性化機構にはプロテインキナーゼCζが関与する (2008)
  • 著者名/発表者名: 甲斐正広、今井伸一、安田智、鈴木拓、今井浩三、豊田実、坂根郁夫
  • 学会等名: 第67回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2008-10-28