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2010 年度 実績報告書

細菌のカチオン輸送系の構造と機能の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20570141
研究機関新潟薬科大学

研究代表者

中村 辰之介  新潟薬科大学, 薬学部, 教授 (20114308)

キーワードアンチポーター / カチオン輸送 / 物質輸送 / イオン輸送機構 / 膜タンパク質
研究概要

大腸菌のChaAは細胞内からNa^+ばかりではなくK^+をもH^+と交換でそれぞれのイオンの濃度勾配に逆らって排出するアンチポーターである(Na^+, K^+/H^+ antiporter)。今回、ChaAのイオン輸送活性に重要な役割を担うと推定される、膜貫通領域に存在する酸性アミノ酸に部位特異的変異を導入してその役割を検討した。ChaAの第3膜貫通領域にはGlu-85が、第10膜貫通領域にはGlu-325が存在すると推定できる。部位特異的変異導入実験の結果、85番目のグルタミン酸は機能に重要であるが、325番目のグルタミン酸は重要では無いことがわかった。今後は、85番目のグルタミン酸はNa^+やK^+を輸送する部位を構成しているのか、それともH^+と共役する部位なのか明らかにしたい。Na^+/H^+ antiporter NhaAの3次元構造解析がpH4で決定されたが、依然として、NhaAの何処をNa^+とH^+は輸送されるのか明確な答えは得られていない。本研究は、NhaAよりもChaAは基質特異性が広いので、膜貫通領域の酸性アミノ酸の変異が基質特異性の変化を起こすのか、それともH^+とのカップリングに影響するのか検討することにより、カチオンアンチポーターのイオン輸送ルートがNa^+(K^+)とH^+で別に2ルートあるのか、それとも同じ場所を共有しているのかという、まだ答えが得られていない疑問に対して答えることができると考えている。もし別にあるならば、それが何処であるのか調べる必要がある。
細菌は一般的に言って、カチオン輸送系に相同性があるタンパク質は、糖やアミノ酸の輸送系よりも数が多い。しかしながら、カチオン輸送系に相同性があるタンパク質の大多数に関して、細胞内での機能の解明は今後の研究に残されている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Glutamate 85 is involved in the sodium/proton exchange activity of the Escherichia coli Cha A.2010

    • 著者名/発表者名
      Fukaya F
    • 雑誌名

      Biosci.Biotechnol.Biochem.

      巻: 74 ページ: 1116-1119

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Characterization and analysis of the regulatory network involved in control of lipomycin biosynthesis in Streptomyces aureofaciens Tu117.2010

    • 著者名/発表者名
      Horbal L, 他
    • 雑誌名

      Appl Microbiol Biotechnol

      巻: 85 ページ: 1069-1079

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://202.244.210.151/nuphp/KgApp

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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