研究課題
細胞内膜系のオルガネラ、すなわち、ゴルジ体、エンドソーム、リソソーム、シナプス小胞、貯留小胞などに共通する大きな特徴の一つは、その内腔のpHが細胞基質に比して酸性度の高いことが挙げられる。オルガネラ内腔の酸性異常は、骨粗鬆症、大理石病、糖尿病、アシドーシス、ガン転移、感音性難聴、不妊症など、様々な疾病と密接に関連している。オルガネラの酸性化に中心的な役割を果たしているのは液胞型プロトンポンプH^+-AIPase(V-ATPase)である。本年度は、生体の血圧や電解質バランスを調節する組織レニン・アンジオテンシン系の活性化に関与する(プロ)レニン受容体が、V-ATPaseのアセンブリーに必須であることを明らかにした(Circ Res., 2010)。組織レニン・アンジオテンシン系が高血圧の発症や糖尿病による臓器障害の発症に関与するので、V-ATPaseの機能は、細胞生物学の分野のみならず、高血圧、糖尿病などの分野でも関心を集めている。さらに、a3サブユニットイソフォームのノックアウトマウスを用い、病理学的に解析した。骨形成異常による頭蓋骨視神経孔の狭窄が観察された。視神経の圧迫による神経細胞の細胞死が視覚障害の原因であることを示した(PLoS One, 2010)。
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Circ Res.
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