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2008 年度 実績報告書

セレノシステイン生合成システムの構造生物学

研究課題

研究課題/領域番号 20570148
研究機関東京大学

研究代表者

関根 俊一  東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (50321774)

キーワードセレノシステイン / セレノリン酸 / tRNA / オパール / 翻訳伸長因子 / X線結晶構造解析
研究概要

セレン(Se)はヒトを含め多くの生物の生存に必須の微量元素であり、細胞内では主にセレノシステイン(Sec)とよばれるアミノ酸として一部のタンパク質に取り込まれたかたちで存在している。Secは21番目のアミノ酸として知られており、リボソーム上で遺伝暗号にしたがってタンパク質に取り込まれるが、20種類の基本的なアミノ酸とは異なり、固有のタンパク質群をもちいてtRNA上で合成され、セレン含有タンパク質の遺伝子中の終止コドン(UGA)をSecコドンに読みかえて正確に挿入される。
このユニークなSec生合成・挿入の構造基盤を明らかにするために、それに関与するタンパク質およびタンパク質複合体の結晶化・構造解析を行った。超好熱性細菌Aquifex aeolicus由来のSec合成系タンパク質であるセレノシステイン合成酵素(SecS),セリルtRNA合成酵素(SerRS),セレノシステイン特異的延長因子(EF-Sec)について、タンパク質を結晶化し、構造解析に成功した(投稿準備中)。このうち、SecSは分子量50万の巨大な十量体複合体であり、5回対称のリング構造をとっていることが明らかになった。SecSについては、さらに、セレノシステインtRNA(tRNASec)との複合体の結晶化に成功し、現在結晶化条件の最適化を試みているところである。また、古細菌由来のSerRSとtRNAsccとの複合体の結晶化にも成功し、構造解析を行っている(未発表)。
また、ヒト由来tRNAsecの結晶解析にも成功した(投稿準備中)。tRNAsecは、通常のtRNAと異なる特徴をもったサプレッサ-tRNAで、Sec生合成経路で中心的な役割を果たすが、その立体構造は未解明であった。複数の生物種由来のtRNASecについて結晶化を試み、ヒト由来のものについて3.1A解能で構造決定することができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] セレノリン酸合成酵素SPSの結晶構造2008

    • 著者名/発表者名
      関根俊一
    • 学会等名
      第31回日本分子生物学会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      2008-12-09
  • [学会発表] セレノリン酸合成酵素の構造解析2008

    • 著者名/発表者名
      伊藤弓弦
    • 学会等名
      第31回日本分子生物学会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      2008-12-09
  • [学会発表] Implications for selenophosphate generation by crystal structure of selenophosphate synthetase2008

    • 著者名/発表者名
      関根俊一
    • 学会等名
      XXI Congress of the international Union of Crystallography (IUCr2008)
    • 発表場所
      大阪国際会議場
    • 年月日
      2008-08-23

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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