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2010 年度 実績報告書

セレノシステイン生合成システムの構造生物学

研究課題

研究課題/領域番号 20570148
研究機関東京大学

研究代表者

関根 俊一  東京大学, 大学院・理学系研究科, 特任准教授 (50321774)

キーワードセレノシステイン / セレン / サプレッサー / tRNA / 翻訳延長因子 / X線結晶構造解析 / セレノリン酸
研究概要

セレン(Se)はヒトを含め多くの生物の生存に必須の微量元素であり、細胞内では主にセレノシステイン(Sec)とよばれるアミノ酸としてタンパク質に取り込まれたかたちで存在している。Secは21番目のアミノ酸として知られており、リボソーム上で遺伝暗号にしたがってタンパク質に取り込まれるが、20種類の基本的なアミノ酸とは異なり、固有のタンパク質群をもちいてtRNA上で合成され、セレン含有タンパク質の遺伝子中の終止コドン(UGA)をSecコドンに読みかえて正確に挿入される。
この特有なSec生合成の構造基盤を明らかにするために、関与するタンパク質およびタンパク質複合体のX線結晶構造解析を行った。tRNA^<Sec>は、通常のtRNAとは異なる配列的・立体構造的特徴をもったtRNAで、Sec生合成経路で中心的な役割を果たす。真核生物および古細菌において、Ser-tRNA^<Sec>のリン酸化に必須の酵素O-ホスホセリルtRNAキナーゼ(PSTK)とtRNA^<Sec>との複合体の結晶構造解析に成功した。PSTKはtRNA^<Sec>に特有のDアームの構造を主に認識し、他のtRNAと識別していることを明らかにした(Mol.Cell,2010)。また、Secの生合成において主要な役割を担うセレノシステイン合成酵素(SelA)およびセレノシステイン特異的延長因子(SelB)について、構造解析に成功した。この成果について現在投稿準備中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Structural basis for the major role of O-phosphoseryl-tRNA kinase in the UGA-specific encoding of selenocysteine.2010

    • 著者名/発表者名
      Chiba, S., et al.
    • 雑誌名

      Molecular Cell

      巻: 39 ページ: 410-420

    • 査読あり
  • [学会発表] O-ホスホセリルtRNAキナーゼとセレノシステインtRNA複合体の結晶構造2010

    • 著者名/発表者名
      伊藤弓弦, 他
    • 学会等名
      第12回RNAミーティング
    • 発表場所
      一橋記念講堂(東京)
    • 年月日
      20100727-20100729
  • [備考]

    • URL

      http://www.s.u-tokyo.ac.jp/press/press-2010-34.html

  • [備考]

    • URL

      http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2010/100813/detail.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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