研究課題
ミオシンは分子モーターとしてアクチン繊維を駆動する。しかし、その力発生中のミオシンの構造解析が進んでいないために、分子メカニズムが解明されていない。一方で、電子顕微鏡法は、直接像をナノメータ以上の分解能で観察することができる強力な手法であり、トモグラフィー法等と組み合わせることで、三次元像を再構成することができる。悟こで、本研究では、力発生中のミオシンの構造をクライオ電子顕微鏡観察できる技術の開発を行うことを目的とし、研究を進めている。まず、凍結試料作成法の検討を進め、クライオ電子顕微鏡法で観察、解析する方法を検討することを具体的には実施する。急速凍結装置の改良と共に、落下速度の検討を行い、1m/secの速度での落下が必要であることがわかった。湿度が100%近いところでも落下速度、落下位置を測定できるように赤外線を用いた位置測定装置をテストした。この結果を受け、磁場をかけながら落下させる装置の設計を進めている。さらに、クライオ電子顕微鏡法によるトモグラフィー撮影を可能にするための基礎データとアルゴリズムの開発をネガティブ染色法の資料を用いて検討した。当該研究機関の電子顕微鏡を用いて、40-60枚の撮影であれば、分解能3-5ナノメータが期待される電子線量で撮影できることがわかった。具体的な開発手順が明確になったので、次年度には装置を完成させ、力発生中のミオシン分子の構造の撮影へと研究を進める。
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