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2010 年度 実績報告書

減数分裂における動原体の構造制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20570163
研究機関静岡大学

研究代表者

山本 歩  静岡大学, 理学部, 准教授 (70359082)

キーワード細胞生物学 / 分子生物学 / セントロメア / 減数分裂 / 動原体 / 微小管 / 姉妹染色分体 / 相同染色体
研究概要

減数第一分裂では姉妹染色分体は一方の極から伸びた微小管と結合し、その極へ分配される。この分配には、減数分裂特異的なセントロメア構造が形成され、姉妹染色分体の動原体が一方向を向くことが重要であると考えられているが、これらの分子機構は完全には解明されていない,我々は分裂酵母において、DNA複製チェックポイント因子であるMrc1がこのセントロメア構造形成に必要なこと、また姉妹染色分体のセントロメアの分離頻度およびスピンドルにおける相対的な位置を解析することによって、セントロメアの動原体の方向性を評価できることを前年度までに見いだしている。我々はMrc1のセントロメア構造形成における機能を明らかにするために、Mrc1破壊株において姉妹染色分体の分離頻度およびセントロメアの動態解析おこない、さらに動原体の一方向性形成に異常があると考えられているMoa1破壊株との比較をおこなった。その結果、相同染色体を物理的につなぎ止めているキアズマが形成できない細胞において、Mrcl破壊株とMoa1破壊株では高頻度で動原体が両方向を向き、両極から伸びた微小管と結合した。
一方、キアズマが形成される細胞では、Mrc1破壊株では野生株と同様に姉妹染色分体の動原体は一方向を向いて形成され、一方の極から伸びた微小管と結合するが、Moa1破壊株ではキアズマが形成されない細胞と同様に両方向を向き、両極から伸びた微小管と結合すると考えられた。この結果からMrc1破壊株では動原体は一方向を向いたり両方を向いたりすることができる可動的なものであるが、Moa1破壊株では両方向を向いたままであると考えられた。これらの結果からMrc1が減数分裂期のセントロメア構造形成にMoalとは異なる機能を有していると考えられた。さらにこれら一連の解析から、姉妹染色分体が一方の極から伸びた微小管と結合するには動原体の方向性だけでなく、キアズマが重要な役割をはたすことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Chiasmata promote monopolar attachment of sister chromatids and their co-segregation toward the proper pole during meiosis I.2011

    • 著者名/発表者名
      Yukinobu Hirose
    • 雑誌名

      PLoS Genet.

      巻: 7

    • 査読あり
  • [学会発表] 減数分裂においてキアズマは染色体と紡錘体の正しい結合および分配におけるtだしい力発生に寄与する2010

    • 著者名/発表者名
      山本歩
    • 学会等名
      第33回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(神戸)
    • 年月日
      2010-12-10
  • [学会発表] 複製チェックポイント因子Mrc 1は減数第一分裂において姉妹染色分体の紡錘体との結合を制御する2010

    • 著者名/発表者名
      日野原裕美
    • 学会等名
      第33回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(神戸)
    • 年月日
      2010-12-07

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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