(1)酸化RNA排除機構の解明の為、酸化RNAに特異的に結合するタンパクをヒト細胞抽出液から網羅的に検索するシステムを開発した (2)上記のシステムを用い、HeLa細胞抽出液から4つの酸化RNA結合タンパクを同定した。その中でも特にHNRNPD(Auf1)タンパク質は拮抗阻害試験により、酸化RNAにより選択的に結合することが明らかとなった。 (3)これら4つのタンパクをsiRNAによりノックダウンする実験をおこなったところ、HNRNPD(Auf1)に加え、HNRNPCタンパクのノックダウンが過酸化水素水やメナディオンの酸化ストレスにたいし細胞の抵抗性を低下させることが明らかとなり、この2つのタンパク質が酸化ストレス感受性に関与していることが結論できた。 (4)また、HNRNPDタンパクは細胞を酸化ストレス下に晒すと、細胞内での含量が急速に低下することが明らかとなった。一方HNRNPCタンパクについては変動がなかった。 (5)さらにダブルノックダウンの実験では、酸化ストレス感受性の低下はシングルノックダウンの時とかわらず、2つのタンパクは同じ経路に働いていることが示唆された。
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