研究課題/領域番号 |
20570172
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
丸山 千秋 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 主席研究員 (00281626)
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研究分担者 |
岡戸 晴生 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (60221842)
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キーワード | RP58 / 転写抑制因子 / 大脳皮質 / 発生 / Ngn2 / 神経細胞移動 / 神経前駆細胞 / 中間前駆細胞 |
研究概要 |
RP58はZincフィンガーモチーフとPOZドメインを持つPOKファミリーに属する転写抑制因子で、この遺伝子欠損マウスは大脳皮質形成に重篤な障害をきたし、生後間もなく死に至ることから大脳皮質の形成において重要な役割を果たしていることがわかっている。本研究ではRP58の脳形成における役割を解明することにより脳形成の分子メカニズムを理解すると同時に脳形成異常や脳神経難病の発症機序及び予防、治療への応用もめざしている。これまでにRP58は神経分化のマスター転写活性化因子であるNgn2によって発現が誘導され、逆にRP58はNgn2の転写を抑制する転写制御レベルのフィードバック制御があることを明らかにした。すなわちRP58(-/-)脳においてはNgn2の発現が抑制されずに増加している。また、RP58をノックダウンした細胞は発生期大脳皮質における細胞移動が障害される。そこでこのRP58(-/-)で見られる細胞移動障害の表現型が、標的遺伝子であるNgn2の過剰な発現を抑えることでレスキューされるかどうかをコンディショナルなRNAi実験系を用いて解析し、確かにRP58KOで見られる移動の障害が、Ngn2をRP58が発現するタイミングでノックダウンすることでレスキューされることがわかった。
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