研究課題
本研究では、(1)生化学的手法を用いてGdX化がcyclin Fの分解を促進する分子メカニズムを明らかにすること、(2)cyclin F以外の新規基質タンパク質の同定・機能解析を行うこと、(3)既に同定済みであるGdX化E3様リガーゼ候補遺伝子のノックアウト(KO)マウスを作製し、個体レベルでの機能解析を行うことによって、新規翻訳後修飾、GdX化の生理的機能を明らかにすることを目的として研究を進めている。平成21年度は以下の新たな研究成果を得た。【GdX新規基質分子、およびGdXシステムE1、E2の生化学的・細胞生物学的機能解析】GdXシステムE2の候補である4遺伝子について生化学的解析を行ったが、Cyclin FのGdX化を促進するGdXシステムE2遺伝子を同定することはできなかった。GdX結合タンパク質よりGdX化の新規基質分子の候補遺伝子、3遺伝子に注目して生化学的解析を行った結果、テロメア保護タンパク質複合体Sheletrinの構成因子、Rap1がGdX化されると考えられた。今後はより詳細な解析を行い、テロメア保護にRap1のGdX化がどのように関わるのか検討する予定である。【GdX化E3様リガーゼ候補遺伝子RFPのKOマウスの作製】RFP遺伝子欠損ES細胞よりキメラマウスを得、ヘテロマウスの作製に成功した。現在ホモKOマウスを得るためにヘテロマウスを交配中である。今後、RFP KOマウスの胎児期から成体における異常を探索・解析する。特にRFPは細胞増殖が行われている胸腺や精巣において発現量が高いことから、これらの臓器は詳細に解析を進める予定である。また、胎児繊維芽細胞を作製し、cyclin FのGdX化が阻害されているか、細胞周期M期の障害が観察されるかについて解析予定である。
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