研究概要 |
平成21年度の本研究では多細胞動物の卵成熟(減数分裂)における不等分裂が起こるしくみを明らかにするために、最も重要な紡錘体を細胞表層へ局在し固定化されることの解明を目指している。この紡錘体のアンカーにMos-MAPK(mitogen-activated protein kinase)キナーゼのカスケードが必要である。このカスケードはMos、MEK(MAPK/Erk kinase kinase)、MAPKのキナーゼを含み、MAPKの下流にはRsk(Ribosomal S6 kinase)やMnk(MAP kinase interacting kinase)などのキナーゼが存在する.したがって、紡錘体のアンカーに関わるタンパク質はこれらのキナーゼのどれかに依存してリン酸化されると予測される。そこで、昨年度から本年度にかけては、どのキナーゼが紡錘体のアンカーに関わっているのかを明らかにすることを目標として研究を行った。その結果、MAPKとともに細胞分裂にかかわるタンパク質キナーゼ(Cdk,Plk,Aurora)などが複雑に影響し合って、機能していることが予測された。そこで、次にはこれらのキナーギがどのような相互の制御で不等分裂を実現しているのかを明らかにしていきたい。
|