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2009 年度 実績報告書

細胞増殖・ストレス応答・神経回路形成におけるmRNA粒子による翻訳調節機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20570191
研究機関大学共同利用機関法人自然科学研究機構(共通施設)

研究代表者

椎名 伸之  大学共同利用機関法人自然科学研究機構(共通施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 准教授 (30332175)

キーワード神経 / mRNA輸送 / 局所的翻訳 / イオンホメオスタシス / RNG105 / mRNA粒子
研究概要

神経樹状突起へのmRNA輸送および局所的翻訳は、シナプス形成および可塑性、ひいては神経ネットワーク形成に重要な役割を果たしている。mRNA輸送と局所的翻訳制御は、mRNA粒子と呼ばれる高次複合体によって主に担われている。我々はその粒子に局在するRNA結合タンパク質RNG105を初めて同定し、その解析をおこなってきた。
本年度は、網羅的に同定したRNG105結合mRNAのオントロジー解析をおこなった。その結果、複数のNa^+/K^+ ATPaseサブユニットアイソフォームを含むイオンホメオスタシス関連因子、活性酸素種除去に関わる金属結合タンパク質、アミロイド関連因子などが有意に多いことがわかった。神経細胞では、シナプス刺激に応答して、樹状突起側の後シナプスでカチオン濃度の上昇、それに伴う活性酸素種の増加が引き起こされる。このようないわゆるストレスに対応するべく、イオンホメオスタシス関連因子や金属結合タンパク質が樹状突起において刺激に応じて局所的に翻訳される可能性が示唆された。
また、同定したmRNAの蛍光タイムラプスイメージングをおこなった。Na^+/K^+ ATPaseサブユニットアイソフォームmRNAにMS2システムを用いてGFPを直接つなぎ、一方RNG105にはRFPを融合して、両者を神経培養細胞に同時に導入した。タイムラプス観察の結果、mRNA-GFPとRNG105-RFPが共にmRNA粒子にリクルートされ、同時に樹状突起中を移動する様子を観察することができた。さらに、mRNA-GFPのみを導入する実験をおこない、RNG105ノックアウト神経細胞においては、mRNA-GFPの動きが著しく低下することも明らかにした。以上の結果から、同定したmRNAがRNG105によって樹状突起に輸送されることをイメージングによって直接的に示すことができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 神経樹状突起におけるRNA粒子と翻訳制御2009

    • 著者名/発表者名
      椎名伸之
    • 雑誌名

      蛋白質核酸酵素 54

      ページ: 2171-2176

  • [雑誌論文] 生体高分子のショ糖密度勾配による超遠心分画2009

    • 著者名/発表者名
      椎名伸之
    • 雑誌名

      実験医学 27

      ページ: 2125-2130

  • [学会発表] RNA粒子タンパク質RNG140はRNG105のパラログであるが、種間保存性、脳発現パターン、局在RNA粒子種が異なる2009

    • 著者名/発表者名
      椎名伸之
    • 学会等名
      第61回日本細胞生物学会大会ワークショップ
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(名古屋)
    • 年月日
      2009-06-04
  • [備考]

    • URL

      http://www.nibb.ac.jp/neurocel

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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