研究課題
基盤研究(C)
生体膜の平坦な部分からチューブ状膜構造が陥入する現象は、膜小胞輸送やオルガネラの形成過程など、よく見られる膜のダイナミックな動きである。バードメイン二量体のバナナ型の構造は、膜をチューブ状に変形させるように特化した膜結合タンパク構造である。Fer/Fesバードメインは、そのC-末側にコイルドコイル(CC)ドメインがあり、例外的に膜結合・変形能が非常に弱い。本研究では、FerのN-端半分の結晶構造を決定し、バードメインとCCドメインが一体となって、バナナ型の二量体を作っていることを明らかにした。CCドメインは膜結合表面に干渉する位置にはなかった。しかし、既知のバードメインとの構造比較から、膜結合に関与しない位置にあるが、進化的に保存されている2つのアミノ酸残基に気づいた。この2つがFer/Fesでは保存されておらず、逆に、この2つを保存されているアミノ酸に変異させると効率的にチューブ形成が起こった。これは、バードメインの膜変形機能の全く新しい知見である。
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Seminars in Cell & Developmental Biology
巻: 21 ページ: 391-398
Cancer Science
巻: 100 ページ: 269-277
http://www.ncvc.go.jp/res/index.html