• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

付属肢の進化・多様性の分子メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 20570198
研究機関東京大学

研究代表者

小嶋 徹也  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (80262153)

キーワード昆虫 / 進化 / 発規制御 / 発生・分化 / 付属肢
研究概要

現在までに、ショウジョウバエなどのモデル生物については、その形作りについての遺伝子レベルでの理解が著しく進んできた。その結果、Hox遺伝子や主要なシグナル伝達系などは生物種問で非常によく保存されており、様々な生物種は、遺伝子レベルでみればそれほど違いはないことがわかってきた。しかし一方で、地球上に存在する様々な生物種は、それぞれ変化に富む多種多様な形態を有することで、それぞれの生活環境に適応している。生物共通の基本的メカニズムについての研究が高い注目を集め著しい理解の向上を果たす一方で、様々な生物種の多様性やその進化に関する遺伝子レベルでの研究はそれほど進んでおらず、これからの生物学おける重要な課題の一つである。
本研究は、昆虫の形態の中でも付属肢、特に歩脚に着目して、その発生メカニズムの様々な昆虫種間での比較により、付属肢の進化・多様化の分子メカニズムの理解を目指すものである。
2008年度は、主にコクヌストモドキやカイコガについて、ショウジョウバエ成虫肢形成に重要である遺伝子のクローニングおよび、肢の発生過程におけるそれらの遺伝子の発現パターンの解析を試みた。しかし、両者ともに、幼虫肢を構成する細胞の一部あるいはほぼ全部が変化して成虫肢を形成し、幼虫肢を形成している状態ではクチクラに覆われているために組織染色は非常に困難であり、現在までのところ、in situハイブリダイゼーションによるRNAの発現解析についてはあまり進んでいない。抗体によるタンパク質の発現解析の方がうまくいき始めたため、現在、各種遺伝子がコードするタンパク質について、なるべく広い範囲の種で使用可能になるような抗体の作成を始めている。今後、これらの抗体を用いた染色とともに、in situハイブリダイゼーションによる染色の実験系を早急に確立し、各種肢形成過程に重要な遺伝子の発現パターンの解析を行う予定である。

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi