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2010 年度 実績報告書

脊椎動物における心臓中隔形成メカニズムの進化的解明

研究課題

研究課題/領域番号 20570200
研究機関東京工業大学

研究代表者

小柴 和子  東京工業大学, 分子細胞生物学研究所, 講師 (30467005)

キーワード発生 / 進化 / 形態形成 / 心臓 / 爬虫類
研究概要

脊椎動物の心臓は、魚類(一心房一心室)から鳥類・哺乳類(二心房二心室)へと、生活環境の変化に伴いより高次な形態を持つようになった。特に爬虫類は不完全な心室中隔を持つカメ類から二心室を持つワニ類まで多様性があり、心室中隔が進化的にどのように派生してきたか知る上で非常に重要な動物である。そこで、アカミミガメとグリーンアノールの心臓形態を詳細に比較した所、アカミミガメでは発生後期に心室中隔様の心室壁の肥厚が形成されるのに対し、グリーンアノールではそのような構造は認められないことが明らかとなった。このような違いをもたらす要因として、Tbx5遺伝子の発現様式の違いが考えられ、マウスを用いて検証した所、左心室に局在したTbx5の発現が心室中隔形成に重要であることが明らかとなった。これは一つの遺伝子の発現様式が進化過程で変化することにより、心臓形態を変化させていったという、心臓進化に関わる新たな知見をもたらした。今年度は心房中隔に着目して研究を進めた。心房中隔は魚類から両生類に進化する過程で獲得され、両生類は魚類の中の肉鰭類(肺魚・シーラカンス)から進化した。そこで、ゼノパス、肺魚・シーラカンス、古代魚のポリプテルスの心臓形態をマイクロCT、MRI、EFICなどの手法を用いて3次元的に観察した。その結果、肺魚の心臓には部分的な心房中隔が存在することが明らかとなり、幼生を用いることのできるオーストラリア肺魚を用いて、肺魚の心臓発生過程と、心臓主要因子の発現様式を調べている所である。この研究により、心房中隔をもたらした新たな分子メカニズムが明らかになることが期待される。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (6件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 爬虫類心臓発生と心室形態進化の分子メカニズム2010

    • 著者名/発表者名
      小柴和子、Bcnoit G.Bruneau、竹内純
    • 雑誌名

      実験医学

      巻: 28 ページ: 572-576

  • [学会発表] 脊椎動物心臓形態多様化メカニズムの理解2011

    • 著者名/発表者名
      小柴-竹内和子
    • 学会等名
      第88回日本生理学会大会・第116回日本解剖学会総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川)
    • 年月日
      20110328-20110330
  • [学会発表] 二心房二心室の心臓はどのようにしてできたか?-脊椎動物の進化から学ぶ-2011

    • 著者名/発表者名
      小柴和子
    • 学会等名
      第26回バイオテクノロジー懇談会
    • 発表場所
      東京大学弥生講堂(東京)
    • 年月日
      2011-01-20
  • [学会発表] 心臓心室中隔獲得に関わる分子機構の解明2010

    • 著者名/発表者名
      小柴-竹内和子
    • 学会等名
      日本動物学会第81回大会
    • 発表場所
      東京大学駒場キャンパス(東京)
    • 年月日
      20100923-20100925
  • [学会発表] Vertebrate heart evolution -Molecular mechanism of cardiac septum for mation-2010

    • 著者名/発表者名
      Kazuko Koshiba-Takeuchi
    • 学会等名
      第12回日本進化学会
    • 発表場所
      東京工業大学大岡山キャンパス(東京)
    • 年月日
      20100802-20100805
  • [学会発表] 脊椎動物の心臓中隔はどのようにしてできたか-心臓形態進化から明らかになる心室中隔形成メカニズム-2010

    • 著者名/発表者名
      小柴-竹内和子
    • 学会等名
      第9回心臓血管発生研究会
    • 発表場所
      シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル(東京)
    • 年月日
      2010-07-10
  • [学会発表] 脊椎動物における心臓区画化メカニズムの進化発生学的解析2010

    • 著者名/発表者名
      小柴-竹内和子
    • 学会等名
      第20回日本解剖学会関東支部懇話会
    • 発表場所
      東京慈恵会医科大学(東京)
    • 年月日
      2010-05-22
  • [図書] Annual Review循環器2011

    • 著者名/発表者名
      竹内純、宮川-富田幸子、笹岡陽介、小柴和子
    • 総ページ数
      1-16
    • 出版者
      中外医学社
  • [備考]

    • URL

      http://www.iam.u-tokyo.ac.jp/junktakeuchi-lab/

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公開日: 2012-07-19  

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