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2009 年度 実績報告書

植物受精卵の極性形成および不等分裂機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20570206
研究機関首都大学東京

研究代表者

岡本 龍史  首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 准教授 (50285095)

キーワード受精 / 細胞極性 / 卵細胞 / 受精卵 / イネ
研究概要

本研究課題では、イネin vitro受精系を用いることで、受精によりイネ受精卵中で発現が誘導され、かつ、イネ受精卵中の頂端部または基部に極性分布しているmRNAをマクロアレイ解析で網羅的に同定し、それらmRNAの受精卵中における細胞内局在機構を明らかにすることで、植物の胚発生過程の最初におこる細胞分化の機構の一端を明らかにすることを主な目的とした。また、細胞内における物質輸送に深く関与しているアクチン繊維を蛍光タンパク質で可視化した形質転換植物を作製し、それらの配偶子をin vitro受精させることで、受精卵の極性形成過程における細胞骨格の動態を明らかにすることも研究目的の一環とした。
イネ卵細胞、受精卵、2細胞胚、頂端細胞、基部細胞を用いて1細胞・胚からcDNAを合成・増幅し、そのcDNAをテンプレートとしてcRNAプローブを作製しマイクロアレイ解析を行った。その結果、「受精卵で発現し、かつ、2細胞胚の頂端細胞でのみ発現する遺伝子」および「受精卵で発現し、かつ、2細胞胚の基部細胞でのみ発現する遺伝子」の候補が同定された。イネ受精卵中では、約14,000個の遺伝子が発現しており、そのうちの約0.5-1%の遺伝子転写産物が、頂端または基部細胞のみで検出された。このことは、特定のmRNA群が受精卵中で極性分布している、あるいは2細胞胚中の一方の細胞内で分解を受けることを示唆する。また、受精卵の極性形成に関与すると推定される細胞骨格(アクチン繊維)を蛍光タンパク質により可視化する目的で、AtFimbABD2-GFPを発現する形質転換イネの作製を試みた。その結果、卵細胞のアクチン繊維が可視化された形質転換体が5ライン得られた。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Asymmetric cell division of rice zygotes located in embryo sac and produced by in vitro fertilization.2010

    • 著者名/発表者名
      Sato A., Toyooka K., Okamoto T.
    • 雑誌名

      Sexual Plant Reproduction (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] In vitro fertilization with isolated rice gametes : production of zygotes and zygote and embryo culture.2010

    • 著者名/発表者名
      Okamoto T.
    • 雑誌名

      Methods in Molecular Biology (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Studies of mitochondrial morphology and DNA amount in the rice egg cell.2010

    • 著者名/発表者名
      Takanashi, H., Ohnishi, T., Mogi, M., Okamoto, T., Arimura, S., Tsutsumi N.
    • 雑誌名

      Current Genetics Vol.56

      ページ: 33-41

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Involvement of polypyrimidine tract-binding protein (PTB) related proteins in pollen germination in Arabidopsis.2009

    • 著者名/発表者名
      Wang S., Okamoto T.
    • 雑誌名

      Plant and Cell Physiology Vol.50

      ページ: 179-190

    • 査読あり
  • [学会発表] イネ2細胞胚の頂端細胞-基部細胞間で差位的発現を示す遺伝子の同定2010

    • 著者名/発表者名
      岡本龍史、佐藤明子、豊岡公徳、内海貴夫
    • 学会等名
      第51回日本植物生理学会
    • 発表場所
      熊本大学(熊本)
    • 年月日
      2010-03-19
  • [学会発表] 被子植物における配偶子融合の分子認証機構2009

    • 著者名/発表者名
      岡本龍史
    • 学会等名
      第82回日本生化学会大会シンポジウム「動植物におけるアロ認証機構」
    • 発表場所
      神戸ポートビアホテル(神戸)
    • 年月日
      2009-10-23
  • [学会発表] イネin vitro結実系を用いた初期果実生長の解析2009

    • 著者名/発表者名
      内海貴夫、岡本龍史
    • 学会等名
      日本植物学会第73回大会
    • 発表場所
      山形大学(山形)
    • 年月日
      2009-09-19
  • [学会発表] ポリピリミジン領域結合タンパク質(PTB)の花粉発芽への関与2009

    • 著者名/発表者名
      Wang Shuyi、岡本龍史
    • 学会等名
      日本植物学会第73回大会
    • 発表場所
      山形大学(山形)
    • 年月日
      2009-09-18

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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