研究課題
基盤研究(C)
アグロバクテリウムが真核生物にT-DNAを注入する現象と大腸菌が酵母にプラスミドを注入する生物界間接合現象は、原核生物がtype 4分泌系に依存して能動的に真核生物へDNAを注入する興味深い現象である。本研究で出芽酵母が受容細胞として高い能力を発揮するのに重要な遺伝子を探索した結果、vATPase酵素サブユニット遺伝子を中心とした遺伝子が生物界間接合能力に重要であること、DNA修復組換え遺伝子RAD52、遺伝子を抑制する遺伝子SRS2等の遺伝子がT-DNA輸送での形質転換に重要であることを明らかにした。2つの現象の両方が低下する変異体がみられないことから、上記遺伝子は受容機構の中で共通部分とは異なり互いに特化した部位で機能しているものと考えられた。これらの現象の研究に必要なプラスミドならびに供与菌株と操作技術開発を行い、高頻度かつ容易な形質転換ならびに高精度かつ容易な加工を可能にした。
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