本研究の目的は、ミミズ群集に対して遺伝子解析から系統的アプローチを行うことによって、ミミズ群集の形成プロセスを明らかにすることである。今年度は、幅広い地域において、様々な環境下でのミミズ群集を予備的に採集し、来年度以降の調査に向けて大まかに調査地の選定を行うことを予定していた。9月から研究費を支給いただき、採集及び解剖に必要な道具を揃え、まず京都において調査を行った。しかし、残念ながらミミズの発生時期はすでにピークを越えており、群集として解析を行えるほどのサンプル数を得ることはできず、調査地を選定できるほどのデータを得ることは難しいと考えられた。したがって今年度は、調査及び実験手法を習得することを目的とした。予備的な採集を複数の地域(九州、栃木、千葉、長野)で行い、採集方法、及びサンプルの固定方法を習得した。また、採集したサンプルを用いて、解剖による形態からの種同定法を習得した。西日本のミミズは分類が遅れており、西日本で採集したサンプルには未記載が複数含まれ、形態だけで同定を進めていくことは非常に難しいと考えられた。今後、採集したサンプルの遺伝子解析を行って種同定を行う必要がある。
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