研究概要 |
1)遺伝学的手法を用いた間性決定遺伝子および雌雄性決定遺伝子(X/Y)間の対立性に関する再検証 昨年度と同様に北海道大学構内の試験圃場において,雌雄異株系統03-009および間性固定系統03-336を用いて育成された03-009♀×(03-336×03-009♂)♂/BC_1F_1集団の性表現型の分離様式に基づく間性決定遺伝子および雌雄性決定遺伝子(X/Y)間の対立性に関する再検証を行った. 前述の検定交雑集団における性の分離を調査した結果,雄と間性に加えて雌株が分離したので間性遺伝子(M)はX/Yの対立遺伝子ではない可能性が示唆された.さらに,検定交配集団として03-009♀×{(03-009♀×03-336)×03-009♂}も作出し,性の分離様式を調査した.この場合においても,同様の結論を示すデータが得られた. 2)間性遺伝子近傍領域の分子連鎖地図の作製 性決定遺伝子の対立性検証に有効な分子マーカーを作成することを目的として,03-009♀×03-336/F2集団(間性遺伝子分離集団)を用いてバルクセグレガント法に基づくAFLP分析を行った.その結果,間性遺伝子に連鎖する16個(相引10個,相反6個)のAFLPマーカーが得られた.当該AFLPマーカーの8個と既知のSSRマーカーSO4を加えた合計9個の分子マーカーをマッピングに用いた.作成された連鎖地図は全長35.8cMであり,平均マーカー間距離は3.98cMとなった. これらのマーカーは性決定遺伝子の対立性検証に役立つばかりではなく,間性遺伝子のポジショナルクローニングに向けた基盤として有用である.
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