研究概要 |
新たにメタロチオネイン遺伝子(BgMT1)を導入したシロイニナズナで耐塩性の向上が確認された。 オヒルギ遺伝子BgZF1を導入した耐塩性シロイヌナズナ系統を塩を含まない条件で栽培した場合のマイクロアレイによる転写プロファイリングを行なった。Z検定で有意水準0.05(両側検定)で有意差があり、かつRatioが3以上の変動を示した遺伝子を7種同定した。それらは、F-box family protein, phosphate translocator-related, zinc finger family proteinと4種のunknown proteinをコードしていた。このように非ストレス下では、組換え体とWTの発現プロファイリングに大きな差異は認められなかった。 また、マングローブは重金属耐性が比較的高いことが報告されており、また、各種ストレス耐性機構にはクロストークがあることが報告されているため、オヒルギの耐塩性遺伝子を導入したシロイヌナズナの重金属耐性を調べた。各組換え体を1mM Mn、100μM Cu、75μM Ni、250μM Zn、200μM Co、200μM Fe、300μM Mo、または50μM Cdを含む1/2MS培地に播種して生育を調べたところ、Bg70、BgWRKY1組換え体がWTに比較してMnを含む培地で良好な生育を示した。また、BgMT1導入個体のCu,Ni耐性、BgARP1組換え体のNi耐性が高まっている可能性が示唆された。これらの結果からマングローブの耐塩性と重金属耐性の関連性が示唆された。
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