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2010 年度 実績報告書

環境保全型作物栽培システムにおける植物残渣の分解過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20580011
研究機関東京大学

研究代表者

中元 朋実  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (50180419)

研究分担者 村上 敏文  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター, 上席研究員 (80391465)
キーワード植物残渣 / 有機物分解 / リターバッグ / 土壌 / 根
研究概要

植物残渣は土壌の有機物源であるとともに作物への養分供給源である.土壌の保全と作物の生産との両立のためには,植物残渣の分解過程の詳細を明らかにし効率のよい利用をはかる必要がある.3年間の圃場試験を通じて,リターバッグ法により重量の減少分を測定するという方法により,(1)植物残渣の種類や部位の違いと分解過程との関係,(2)作物の根による植物残渣分解の促進あるいは抑制効果の有無,(3)植物残渣分解モデルの構築,について調査した.
(1)植物残渣の初期の分解は,リグニン含量の高いものほど遅く,分解速度の遅いものから,作物種別にはライムギ,コムギ,トゥモロコシの順,器官別には根,茎,葉の順であった.秋に開始した試験では,2年後の時点においても,ライムギの根と茎では20%,コムギの根では10%が分解されずに残った.
(2)根圏と非根圏での分解速度の比較では,コムギとライムギの根,茎,葉いずれにおいても,初期の2-4ヶ月の間の分解量に有意な差がみられる時期があり,根圏では非根圏に比べて分解が遅くなることが示された.この差は8ヶ月までの間には解消した.根圏と非根圏の間にみられる分解速度の差は,温度の日較差,土壌水分含量,ある作物の根による干渉などによってもたらされたものと考えられた.
(3)分解係数(k)は,横軸に単に時間をとった場合にも,基準温度を0℃とした有効積算地中温度を用いた場合にも,季節によって大きく変動し,分解曲線を一次の指数式で近似することはできなかった.
以上,イネ科植物残渣の鋤き込み利用に際しては,植物残渣の質だけでなく,鋤き込みの時期や位置などが重要であることが示唆された.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 耕起方法と冬期カバークロップの組合せが土壌の微生物活性と関連形質に及ぼす影響2010

    • 著者名/発表者名
      中元朋実・小松崎将一・平田聡之・荒木肇
    • 学会等名
      日本土壌肥料学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2010-09-09

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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