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2010 年度 実績報告書

イネ科植物由来の高kcatRubiscoを利用したイネの光合成能力の改良

研究課題

研究課題/領域番号 20580014
研究機関神戸大学

研究代表者

深山 浩  神戸大学, 農学研究科, 助教 (60373255)

キーワード光合成 / Rubisco / 酵素特性 / 相同組換 / イネ
研究概要

Rubiscoの反応回転速度K_<cat>が顕著に高いSorghum bicolorのRubiscoをイネで発現させることにより,特に高CO_2条件におけるイネの光合成の改良を目的として研究を進めている.葉緑体ゲノムにコードされているRbcLは形質転換が困難であり,今のところ成功には至っていない,しかし,ソルガムRbcSのイネ核ゲノムへの導入には成功し,多数の形質転換イネを得た.そのソルガムRbcs高発現形質転換イネではRubisco活性が顕著に高くなるが,光合成速度の増加は起こらないことが分かった.形質転換イネではRubisco含量が増加し,Rubiscoの活性化率,RubiscoのCO_2特異性が若干低下していた.また,形質転換イネの生育特性については栄養成長期における分げつ数が若干低下したが,それ以外の形質に関しては非形質転換イネと違いは認められなかった.以上の結果から,Rubisco活性を単純に増加させても,光合成特性,生育特性は大きな影響を受けないものと考えられた
高CO_2条件ではRubiscoが過剰となることから,光合成速度を改良するにはRubisco含量を50%程度に減少させる必要がある.そこで,ソルガムRbcSの発現量が全RbcSの約40%の形質転換イネSS10系統について,イネRbcsをRNAi法によりノックダウンすることを試みている.イネRbcsとソルガムRbcsで比較的塩基配列が異なるコード領域の3'側をトリガーとしてRNAiのコンストラクトを作出しており,SS10系統に遺伝子導入中である
ソルガムとイネRbcSのアミノ酸配列を比較するとβ-A,Bループ,C末端の領域が大きく異なっている.ソルガムRbcsの導入がRubisco活性を高めるメカニズムを明らかとするために,β-A,Bループがソルガム,C末端がソルガム,β-A,BループとC末端がソルガムとなるようなキメラRbcS遺伝子を作出しイネに遺伝子導入した.現在,形質転換イネを育成中であり,Rubisco活性,光合成特性等を解析する予定である

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (3件) 図書 (1件) 備考 (3件)

  • [雑誌論文] Gene expression profiling of rice grown in free air CO_2 enrichment (FACE) and elevated soil temperature.2011

    • 著者名/発表者名
      Fukayama H, et al.
    • 雑誌名

      Field Crops Res.

      巻: 121 ページ: 195-199

    • 査読あり
  • [雑誌論文] SDS-dependent proteases induced by ABA and its relation to Rubisco and Rubisco activase contents in rice leaves.2010

    • 著者名/発表者名
      Fukayama H, et al.
    • 雑誌名

      Plant Physiol.Biochem.

      巻: 48 ページ: 808-812

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Lessons from engineering a single-cell C4 photosynthetic pathway into rice

    • 著者名/発表者名
      Miyao M, Fukayama H, et al.
    • 雑誌名

      J.Exp.Bot.

      巻: (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Activation of Cyclic Electron Flow around PSI in the Photoinhibited Rice Leaves.

    • 著者名/発表者名
      Kubo S, Fukayama H, et al.
    • 雑誌名

      Soil Sci.Plant Nut.

      巻: (印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] イネにおける葉緑体型ホスホグリセリン酸ムターゼOsPGMd2の機能解析2011

    • 著者名/発表者名
      加藤祐樹, 深山浩, ら
    • 学会等名
      日本作物学会
    • 発表場所
      日本農業大学(東京都)
    • 年月日
      2011-03-30
  • [学会発表] 新規なCCTドメインタンパク質OsCCT1は高CO_2環境への代謝的・形態的応答に関係している2011

    • 著者名/発表者名
      杉野充保, 深山浩
    • 学会等名
      日本作物学会
    • 発表場所
      日本農業大学(東京都)
    • 年月日
      2011-03-30
  • [学会発表] Chimeric Incorporation of Sorghum RbcS Increases the Catalytic Turnover Rate of Rubisco in Transgenic Rice Plants2010

    • 著者名/発表者名
      Ishikawa C, Fukayama H, et al.
    • 学会等名
      第15回国際光合成会議
    • 発表場所
      北京
    • 年月日
      20100823-20100827
  • [図書] 神戸大学最前線2010

    • 著者名/発表者名
      深山浩
    • 総ページ数
      22-23(30)
    • 出版者
      神戸大学
  • [備考] 神戸大学研究ニュース

    • URL

      http://www.kobe-u.ac.jp/research/news/H21/ang/pp2010_02_a.htm

  • [備考] 神戸大学インターゲノミクス研究会

    • URL

      http://www.research.kobe-u.ac.jp/ans-intergenomics/

  • [備考] 資源植物生産学ホームページ

    • URL

      http://www.research.kobe-u.ac.jp/ans-sakumotsu/index.html

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公開日: 2012-07-19  

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