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2008 年度 実績報告書

有機栽培水田ではどうしてコナギが優占するのか?

研究課題

研究課題/領域番号 20580017
研究機関独立行政法人農業技術研究機構

研究代表者

長谷川 浩  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター・寒冷地バイオマス研究チーム, 主任研究員 (60355328)

研究分担者 小林 浩幸  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター・カバークロップ研究チーム, 主任研究員 (70355329)
キーワード有機水稲栽培 / コナギ / ノビエ / イヌホタルイ / オモダカ
研究概要

調査した有機栽培農家における水稲の精玄米収量は平均で339g/m^2に過ぎなかった。穂数と精玄米収量の間に高い正の相関関係があり(r^2=0.69**)、有機水稲栽培における収量の制限要因は穂数であることは明らかであった。さらに、穂数と出穂前雑草乾物重(残草量)の間にも負の相関関係が認められ(r^2=0.48*)、雑草発生が穂数減の原因となったことが明らかとなった。
出穂前水稲乾物重は315g/m^2、雑草乾物重は57g/m^2であり、雑草乾物重は水稲乾物重の18%に相当した。最も優占したのはコナギであり、イヌホタルイ、オモダカも広くみられたが、ノビエは少なかった。平均で雑草乾物重の70%をコナギが占めた。コナギ乾物重が100%を占めた、いわばコナギと水稲しかない水田が8事例みられた。コナギ乾物重は少ない水田でも全雑草の19%を占め、コナギがみられない水田はなかった。コナギ乾物重が40%以下の水田は漏水田であるか慣行栽培のように中干しを早くから行う水田で、タデ類、アゼナなどが優占した。
シードバンクについてみると、コナギの中央値は51,000粒/m^2、イヌホタルイの中央値は879粒/m^2、ノビエの中央値は279粒/m^2であった。コナギが3種合計のシードバンクに占める割合は、40%〜100%の範囲にあり、中央値は96%と圧倒的にコナギが占めた。
以上から,有機栽培水田でコナギが優占しているのは、コナギシードバンクがイヌホタルイやノビエに比較して極めて大きいことが、直接の原因であると判断した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 有機水稲栽培におけるシードバンクとコナギ優占の実態-東日本における事例-2008

    • 著者名/発表者名
      長谷川浩
    • 雑誌名

      有機農業研究年報 8

      ページ: 185-199

    • 査読あり
  • [学会発表] 水稲有機栽培における雑草対策-現状と展望-2008

    • 著者名/発表者名
      長谷川浩
    • 学会等名
      第226回日本作物学会講演会シンポジウム
    • 発表場所
      神戸大学
    • 年月日
      2008-09-24

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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