1.都市緑地における人の生理、心理に対する効果を基にした新しい評価基準の確立 2年目は都市緑地のフィールドを再開発地域とし、昨年実施した生理的指標(唾液アミラーゼ、血圧、脈拍)や心理的指標のSD法、POMSといった評価手法により評価を行った。さらに都市生活者が緑地に対し、とのような印象を持っているのか、またその必要性をどのように感じているのかを調べるために、都市生活者(主にオフィス勤務者)に対するアンケート調査を実施した。さらに、都市の屋内における植物設置の実態を把握するため、レンタルグリーン業界の現状を調べる調査を実施した。その結果、生理心理的指標の評価は昨年と同様の傾向が見られた。意識調査の結果では、オフィス勤務者は緑の必要性を感じているものの、実際のオフィス空間には緑が少ないと感じていること、また都市における緑の効果として期待しているものは、地球温暖化防止などの環境保全的機能よりも、人のストレス緩和や癒しといった療法的効果に関する効果に期待が大きいことがわかった。 2.都市緑地を用いた健康作りプログラムの構築 都市域の緑地として注目される屋上緑化に着目し、屋上庭園を用いたプログラムの検討を行った。初年度の昨年は都市域に増加している有料老人ホームの屋上部分の庭園を用いて、そこで行う園芸療法プログラムの効果を調べた。その結果、屋内で行うプログラムと異なり、参加者である高齢者の発話や表情などに変化が見られ、緑地と触れ合うことの特徴などを明らかにした。
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