1.都市緑地における人の生理、心理に対する効果を基にした新しい評価基準の確立 本年度は都市緑地の中でも、再開発地域を中心に取り上げ、都市に勤務するオフィスワーカーに対する実験を行った。具体的には東京ミッドタウンにおけるアンケート調査および心理調査を実施した。その結果、オフィスワーカーが都市緑地に求めているものは、環境的な効果ではなく、癒し効果やストレス緩和効果であること、また緑地へのアクセスが利用に大きな影響を及ぼしていることなどが明らかとなった。 2.都市緑地としての屋上緑化空間の利用とプログラムに関する実験、調査 都市部では空間の余裕がないため、特殊緑化が多く取り入れられており、壁面緑化や屋上緑化が進められている。しかし、それらの効果に関する研究はまだまだ少ない。特に屋上における緑地の療法的効果を目的とした実験はほとんど進んでいない。そこで本年度は実際の都市域における屋上緑地を用いて、人の快適性や療法的効果の調査、行動調査などを実施した。具体的には都心部である新宿の商業施設屋上における緑化空間、庭園で利用者に対するアンケート調査および生理・心理効果の検証を行った。その結果、同じ屋上空間であっても、緑化の有無により、印象が大きく変わること、特に女性は緑化されているエリアでの安心感が高いことなどが明らかになった。よって、都心部においては屋上緑化空間が利用者にとって安全で安心な空間と感じていることがわかった。 3.3年間の研究成果の取りまとめ これまでの研究の成果として、緑化工学会誌等に成果を投稿、掲載された。
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